クリスタルボウルやチャイムなどの楽器を使った「サウンド・バス(SOUND BATH)」という音楽体験が注目されています。
このページではサウンド・バスについて紹介をします。
目次
サウンド・バスとは
「サウンド・バス(SOUND BATH)」とは、さまざまな楽器が生み出す響きに心身を委ね、やさしく耳を澄ませながら音を聴くことで深いリラクゼーションや瞑想的な意識にアプローチをする体験です。
音による癒しや瞑想、マインドフルネスの手法として、ヨガやマッサージのBGMとして世界中でサウンド・バスが行われています。
サウンド・バスの効果
サウンド・バスを体験された方から次のような感想をいただいています。
- 緊張がほぐれて癒やされた
- 意識が深まってふだん以上に瞑想ができた
- マインドフルネスを感じられた
- 新しい「気づき」が得られた
- YouTubeで音を聴きながら寝るとよく眠れた
- スピリチュアルな体験ができた
私のクリスタルボウル サウンド・バスイベントに参加いただいた方からの感想・クチコミは予約サイトに自由に投稿してもらっています。ありがとうございます!
クリスタルボウル、サウンド・バスは演奏する奏者によって体験が大きく違います。たくさんの奏者さんがYouTubeやSNSで演奏を公開しているので好みの演奏を探してみましょう
※医学的・科学的に治癒・治療の効果が認められたものではありません
サウンド・バスを理解するために
サウンド・バスは大きな枠組みでは「音による癒し(サウンドヒーリング)」や「音を使った瞑想(サウンドメディテーション)」の手法のひとつですが、一般的な音楽コンサートやスピリチュアルなセッションとは大きく違っています。
サウンド・バスを理解するために「フルボディ・リスニング」と「ディープ・リスニング」という2つのキーワードを紹介します。このふたつがあるからこそサウンド・バスの体験が作られています。
フルボディ・リスニング(Full Body Listening)
「音」は私たちの日常では空気中の振動として存在しています。波のように伝わるため(物理的な意味で)「波動」とも呼ばれています。その波動は耳の穴だけに入ってくるのではなく、私たちの全身に届いています。
音を耳だけで聴こうとせず、全身で音を聴いていく(感じていく)ことを「フルボディ・リスニング」と呼んでいます。
具体的にはゴロリと寝転がってしっかり脱力をして、少し距離のある場所から演奏されるさまざまな楽器の響きに心身を委ねます。
耳だけで聴こうとすると感覚(意識)が耳に集中してしまいますが、フルボディ・リスニングの状態を作ることで、より深いリラクゼーションや癒しにつながっていきます。
ディープ・リスニング(Deep Listening)
「ディープ・リスニング」はアメリカの偉大な作曲家・電子音楽作家のポーリン・オリヴェロスが提唱した概念です。
音をただ聴く(聴き流す)のではなく、発せられた音の音色や音が消えていく際の残響ひとつずつに意識を集中させたり、その音だけではなく周囲の環境音(外部からのノイズ)や自分の呼吸音、心臓の鼓動、お腹の音など身体の内外で発生する音にも意識を向けて感覚を研ぎ澄ます瞑想的な行為を指します。
ディープリスニングは音の微細な変化や振動を感じ取ることで、同時により深いリラクゼーションや内面的な気づきが生まれたり、瞑想的な状態に入りやすくなり、リフレッシュや癒しの効果を強めることができます。
サウンド・バスの理由
サウンド・バスではフルボディ・リスニングとディープ・リスニングの状態を作り上げ、その結果として深いリラクゼーションや瞑想的な意識を導き出しています。生演奏のイベントは次のような流れで行われます。
1.
イベント会場はヨガスタジオのように清潔でリラックスできる空間です。それほど広くない室内には寝転がるためのマットなどが用意されています。物騒な雰囲気の中にビールケースが置かれているわけではありません。
2.
演奏にはクリスタルボウルやチベタンボウル(シンギングボウル)といったお椀型の楽器や、コシチャイム、ザフィアチャイムといった円筒形の風鈴が好んで使われています。
丸い形の楽器から発せられた音は360度すべての方向に拡がっていき、広すぎない空間では壁や天井で音が反射するために、全方位から音が聞こえてくるように感じられます。
3.
演奏はシンプルだけど心地よい音、派手ではなく繊細な音です。ゆったり・ゆっくり、余韻や静寂を大切にしながら、大き過ぎない音量で鳴らしていきます。ゴンギンガンギンと大音量でブっ叩いているわけではありません。
心地よい音・もっと聴いていたい音が大き過ぎない音量で鳴らされていると、聴いている人は自然と「耳を澄ます」ようになります。
4.
全身で音の波を浴びながら、繊細な音色に耳を澄ますことで、自然にフルボディ・リスニングとディープ・リスニングの状態を作り上げていきます。
5.
フルボディ・リスニングとディープ・リスニングの状態ではアタマの中から余計な思考が消えて、ただただ「心地よい」という「感覚優位」の状態に意識が変化していきます。
そして、思考から離れて感覚優位になることで、
無意識の緊張がほぐれて身体がすっと楽になったり…
ふだんとは違う「気づき」に出会えたり…
マインドフルな瞑想や癒しを体験したり…
ときにはスピリチュアルな感覚になることもあります。
奏者や楽器から何かスペシャルなパワーを「与える」のではなく、深いリラックスの中で聴者側から「感覚を開いてもらう・拡げてもらう・深めてもらう」ことによって体験を作るのがサウンド・バスです
サウンド・バスを体験してみよう
サウンド・バスは生演奏を聴く「サウンド・バス イベント」と、YouTubeやZOOMなどを使ったオンラインでの「アットホーム サウンド・バス」のふたつで体験ができます。
生演奏のサウンド・バス イベント
奏者と聴者が同じ空間で過ごす、対面でのサウンド・バスイベント。立体感のある音の響きは生演奏ならではです。
私は東京・浅草橋のサウンド・バススタジオ「studio PLAYA」を中心に毎月たくさんのサウンド・バスイベントを実施しています。体験を自分の中に大切に保ったままお帰りいただける雰囲気を大切にしていますので、お気軽にご参加くださいませ。
アットホーム サウンド・バス
YouTubeやZOOMなど、オンラインで演奏を視聴するアットホーム サウンド・バス。どうしても「音の響き」は生演奏と違ってしまいますが、それぞれの快適な空間で誰にも気を遣うことなく楽しめるメリットがあります。
私も頻繁にYouTubeライブ配信を行っています。これからも続けていきますのでチャンネル登録や評価ボタンをいただけると嬉しいです。
サウンド・バス レッスンについて
クリスタルボウルを使ったサウンド・バスを行ってみたいという方へ各種レッスンを実施しています。
でも、何より大切なのは「自分自身でサウンド・バスを体験する」こと。「これがフルボディ・リスニングか!」「この感覚をディープ・リスニングと呼ぶのね」という実感がないままでは、レッスンのゴールが分かりづらくなります。ラーメン屋さんを始めたい人が名店の食べ歩きをするように、まずサウンド・バスをたくさん体験してみましょう。
サウンド・バスの誤解について
サウンド・バスはまだまだマイナーな存在です。そして、いまはひとりひとりの奏者がよりよいサウンド・バス体験を目指して切磋琢磨している時代です。そのため、「サウンド・バスイベントです」と銘打っていても、奏者によって大きく内容が違っているのが現実です。
これは片方の奏者がやっていることが正しくて・もう片方の奏者がやっていることが間違っているという意味ではありません。マッサージやラーメン屋さんにもいろいろあって好みで選ぶのと同じように、サウンド・バスもいろいろな奏者さんの演奏に触れて好みに合うものを探してみましょう。
サウンド・バス=音浴・倍音浴ではありません
日本ではクリスタルボウルやシンギングボウルを使って「音浴(おんよく)」や「倍音浴」という名称のサウンドヒーリングイベントが頻繁に行われています。
「サウンド・バス」を日本語にすると「音の・お風呂」となり、「音浴」に近い意味になってしまうために「サウンド・バス=音浴・倍音浴」と思われることもありますが、厳密には音浴・倍音浴とサウンド・バスは違うものです。
音浴はお風呂のように心身を委ねられるゆったりとした音でのリラックスを大切にしており、倍音浴はたくさんの楽器を使った圧倒的な倍音の響き・振動を大切にしています。サウンド・バスは全身で音を感じる「フルボディ・リスニング」と繊細な音と静寂で意識を拡げる「ディープ・リスニング」を大切にしています。
サウンド・バスは音浴のように「ゆったりに振り切った」ものではありませんし、倍音浴のような圧倒的な倍音の響きが必要なものでもありません。もちろん、音浴には音浴の心地よさ、倍音浴には倍音浴の心地よさがあるので、サウンド・バス以外のアプローチを否定するわけではありません。
スピリチュアルなものではありません
サウンド・バスにはスピリチュアルな主張はありません。奏者の聖なる力を与えるとか、宇宙のパワーが降り注ぐというものではなく、聴者が深くリラックスして(フルボディ・リスニング)意識を拡げていく(ディープ・リスニング)からこそ、体験が導かれてくることを大切にしています。結果としてスピリチュアルな体験をすることはあっても、それは奏者が与えたものではありません。
スピリチュアルな主張がないからこそ、世界中でサウンド・バスが受け入れられています。
スピリチュアルなものを否定しているのではなく、奏者から主張することがないのがサウンド・バスです。各自がスピリチュアルな感覚を感じていただけるのは奏者として光栄なことです
サウンド・バスの楽器
サウンド・バスで使用される楽器は一般的な音楽コンサートやヘビメタライブのものとは大きく違っています。不思議な楽器が多いので紹介します。
シンギングボウル類
大きなどんぶりのような形状をした楽器を総称して「シンギング(歌う)ボウル(お椀)」と呼んでいます。お仏壇にある「チーン!」という「おりん」や、年末に叩く除夜の鐘の「鐘」もシンギングボウルの一種です。
シンギングボウルはサウンド・バスでもっとも広く使われています。水晶から作られた「クリスタルボウル(クリスタル シンギングボウル)」と合金製の「チベタンボウル(単にシンギングボウルとも)」のふたつの種類があります。
クリスタルボウル
水晶を溶融して作られた「クリスタルボウル」はとても美しく長い響きを持っており、やさしく繰り返される音の波によって全身を包み込んでいきます。クリスタルボウルには大きく3つの種類(世代)がありますが、サウンド・バスで多く使われているのは「クリアーライトボウル」、「アルケミーボウル」と呼ばれる薄くて軽いものです。
クリスタルボウルについてより詳しくはこちらのページを参照ください。
チベタンボウル
金属製のチベタンボウルは複雑な音の響きを持っており、肌を震わせるような感覚があります。音楽的な美しさというより「密教的な響き」を持ったものが多いです。身体の上に乗せたり、アタマに被せたりした状態で音を出すこともできます。
チャイム類
金属のバー(棒)を複数本使用したチャイム類。円筒形のチャイムはボウルと同じく360度すべての方向に音が拡がっていきます。
円筒形のチャイム
コシチャイムやザフィアチャイムといった名前の円筒形のチャイム。手に持って軽く動かすことにより、「ポロロロロン」というような柔らかな音色を出すことができます。
バーチャイム
金属のバーを横一列に並べたバーチャイム。テーブルの上にそのまま置けるサイズのものはテーブルチャイムとも呼ばれています。「シャララララン」という高い響きはクリスタルボウルでは作れない音域なので、演奏のよいアクセントになります。
フォーク類
U字型をしたバーを叩いて鳴らすチューニングフォーク(音叉)。音色に揺らぎがなく、一定の音を鳴らし続けることができる楽器です。
チューニングフォーク
金属のチューニングフォークはひとつだけを叩いて鳴らしたり、チューニングフォーク同士をぶつけ合って鳴らしたりすることができます。手に持ったチューニングフォークを動かすと音像も動かせるため、聴者の身体表面を音で撫でているようなアプローチが可能です。
ドラム類
ドラムの面を聴者に向けて音を鳴らすことで空気を強烈に揺らし、強い音圧でフルボディ・リスニングの感覚を強められます。
ゴング(銅鑼)
平らな鉄の円盤を吊り下げたゴング(銅鑼)。音を鳴らす面積が大きいため、静かに叩くだけでもしっかりと空気を振動させることができます。
フラット・ドラム
ナチュラル・レザーやファイバーから作られた丸い形状のドラム。インディアン・ドラムやメディスン・ドラムとも呼ばれ、ネイティブ・アメリカンの文化の中で儀式的に使われてきました。意識の奥に深く深く入っていけるような響きを持っています。
リード楽器類
木製や金属製の薄いリード(弁)に空気を吹き付けて揺らすことで「ビョーーー」というような長い音を出すリード楽器。バグパイプやアコーディオンもリード楽器です。
シュルティ・ボックス
鍵盤ではなく、「音階の弁を横にスライドさせる」ことで音色を決められるリード楽器。細かく音階が変わるようなメロディを演奏することは構造的に難しいため、同じ音階の響き「ドローンサウンド」を作ることに向いています。
ハルモニウム
音のヨガと呼ばれる「キールタン」で使用されることも多いハルモニウム。鍵盤が付いているのでさまざまなメロディを弾くことができます。
サウンド・バスを体験してみませんか?
東京・浅草橋の「studio PLAYA」ではサウンド・バスイベントを頻繁に開催しています。
イベントではおひとりずつのパーソナリティを尊重し、気軽に参加できることを心がけています。各自の自己紹介、コミュニティ作り、感想のシェアタイム、物品の販売・勧誘はありません。お気軽にご参加くださいませ。イベントのスケジュールは下記ページにて。