クリスタルボウルを鳴らしてみたい!演奏してみたい!という方へ、基礎的な情報を紹介します。

プロ奏者から対面でしっかりレクチャーを受けてみたいという方に「「クリスタルボウル サウンド・バス レッスン」を行っています。クリスタルボウルを購入したい方はこちら

※本ページで紹介しているのは、薄くて軽い「クリアーライトボウル」や「アルケミーボウル」の演奏方法です。表面がザラザラとした、重たい「フロステッドボウル」とは異なります

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文字だらけの書籍ですが、ご興味ありましたらこちらも合わせてご覧ください。

はじめに

クリスタルボウルはとても歴史の浅い楽器です。この世に誕生してから、まだ40年程度しか経っていません。

クリスタルボウルという楽器そのものにも、新しいタイプが誕生していますし、「クリスタルボウル奏者」と呼ばれる演奏者も、多くが「第一世代」です。

長い歴史の中で洗練されてきたものではなく、いままさに作られつつある世界が、クリスタルボウルです。

このページで紹介している演奏方法は「サウンド・バス」という考えに基づいています。

ほかの奏者の方の演奏方法とは違うこともありますので、「これが正解」「これはニセモノ」というような極端な判断ではなく、さまざまな音に触れて、好みのものを探してみてください。

また、サウンド・バスの演奏方法は「クリアーライトボウル」や「アルケミーボウル」という種類のボウル向けです。分厚くて重たい「フロステッドボウル」では、サウンド・バスの演奏は少し困難です。

さまざまな演奏方法があるので、好みのものを探してみましょう。

クリスタルボウルに触れる前に

クリスタルボウルはとても繊細です。乱雑に扱うと、ガラスコップが割れるようにボウルも割れてしまいます。

クリスタルボウルに触れる前に、以下の点を確認しましょう。

アクセサリー類はすべて外しましょう

クリスタルボウルに金属製のアクセサリーが当たると「カツン!」という痛い音が鳴り、ダメージを与えてしまいます。ネックレス、指輪、腕時計、ブレスレットなど、ボウルに触れそうな位置にあるものは必ずすべて外しましょう。

動きやすい服装を心がけましょう

演奏時には身体を大きく、手を細かく動かします。ヨガウェアのように動きやすい服装を選びましょう。私たちが作るのは相手に寄り添った癒やしの世界です。

心を落ち着けましょう

イライラや不安があると、ボウルを手荒に扱ってしまうことにつながってしまいます。特別な時間のために、ゆっくり心を落ち着けましょう。

「音酔い」に気をつけましょう

クリスタルボウルの練習を長時間続けていると、ふわふわ・フラフラとした「音酔い」の状態になることがあります。クリスタルボウル・ヒーリングの心地よい体験とはちがう、ただふわふわ・フラフラとした状態です。

音酔いをした状態だと、注意力が散漫になり、練習の効果は半減します。また、その後の日常生活に支障を来すこともあります。

音酔いを防ぎつつ、効果的に練習をするために、以下の点に気をつけましょう。

  1. クリスタルボウルを鳴らすのは最大でも30分程度とし、適宜、手を休めて10分程度の休憩を挟む
  2.  気を落ち着けるために、水分を補給しながら練習する
  3.  複数の奏者で一緒に練習をしない(一斉に音を出さない)

クリスタルボウルは一日何時間練習すれば上達するとか、1000回叩けば上手になるとかの根性論の世界とは違います。

自分が一番やさしい気持ちになれそうなときに、少しずつ練習してみましょう。それが、一番の近道です。

クリスタルボウルの並べ方

クリスタルボウルはフローリングの床や、しっかりとしたテーブルの上など、固くて平らな場所に並べます。畳やカーペット、屋外の土の上などに並べるときは「コルクの鍋敷き」をボウルの下に設置すると安定感が増しますよ。

ボウルは「音階順」で並べると演奏がしやすいです。並べる順番はいつも同じにしましょう。並び順が毎回バラバラでは、演奏の都度「このボウルの音階は・・・」とアタマで考えてしまい、スムーズな演奏ができなくなります。

それぞれのボウルの間隔は10cmから15cm程度、握りこぶしひとつより少し広いくらいが適切です。間隔が近すぎると両手で演奏している際にマレットがぶつかる恐れがあり、間隔が広すぎると演奏しづらく、共鳴・共振をさせることができません。

ボウルの数が4つ以下であれば、音階順に横一列に並べてよいと思います。まっすぐでも、軽いアーチ状でも、最小限の動きですべてのボウルにアクセスできる並べ方にしましょう。

7つの音階を揃えたフルセットのように、ボウルの数が5つ以上ある場合は、横一列の並べ方では端から端までの距離が大きくなってしまいます。二段構えの並べ方がオススメです。

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上の写真の並べ方の場合、奏者側にある4つのボウルの音階は向かって右側から「C・E・G・LOW-B」、手前側にある3つのボウルの音階は右側から「D・F・A」となっています。

こうすることで「C・E・G」の和音や「D・F・A」の和音のボウルへアプローチしやすくなり、反対に「C・D」や「E・F」、「C・LOW-B」のように不協和音になる音にはアプローチしづらくなります。

Oリングやゴムマットを忘れずに

いかなるタイミングでも、ボウルをフローリングの床の上のような固いところへ直接置いてはダメです。

必ず、Oリングやゴムマットなどのやわらかい物を置いてから、その上にボウルを設置しましょう。

Oリングはボウルの中心・真下に来るようにします。Oリングの上でボウルが斜めにならず、正しく水平になっていることを、さまざまな角度から見て確認しましょう。斜めだと、音の響きが悪くなるばかりか、演奏中にボウルが転倒する恐れがあります。

マレットを持ってみよう

クリスタルボウルは「マレット」という専用のバチでボウルのフチをこすったり、叩いたりして演奏を行います。

マレットにはいくつかの種類があり、もっともよく使われているのはチクワのような中空のゴムの棒にスウェードの革(シープスキン)を巻き付けた「スウェードマレット」です。

マレットの持ち方

マレットはお箸と同じように、指でつまんで持ちます。演奏中はつまんだ指の力加減によって、細かく音をコントロールしています。

マレットの上から少し下がったあたりを親指と人差し指で挟むようにつまみ、後ろから中指を添えて固定します。薬指・小指は自然に曲げておきましょう。

手の甲とマレットがほぼ直角になるような形です。親指と人差し指にぎゅっと力を入れてマレットを強く持ったり、指の力を抜いてふわっと優しく持ったりして、指の感覚を練習しましょう。

まずは利き手で持ち、同様の持ち方で利き手ではない方の手でも持ってみましょう。

グー握りやマレットの上部を覆うように持つのは、繊細な音のコントロールが行えず、見た目もよくありません。利き手ではない方の手で演奏するのも困難になります。

演奏時の姿勢

クリスタルボウルを床に並べた場合は、奏者も床に座って演奏をします。膝がボウルに当たらない程度に近づき、マレットをボウルに当てたときに肘が伸びきらないような距離に腰を下ろしましょう。

身体は別の方向を向いたまま、腕だけを伸ばして演奏するのは、正しく音が鳴らせないばかりか、見た目も悪いものになります。鳴らしたいボウルにきちんと正対しましょう(同じ場所に座りっぱなしではなく、演奏するボウルの近くへ細かく移動しています)。

たくさんのボウルを使って複雑な演奏をするときは、正座の状態から足の指を立てた「起座」の姿勢になって、ボウルに身体を近づけます。ゆったりとした演奏のときは正座や胡座に変えても構いません。女性の場合、大きなスカートを履いていれば足下を隠すことができます。

鳴らしたいボウルの方向へ身体を向けながら、身体全体で鳴らすようにしましょう。

演奏時の動作

サウンド・バスの演奏では、こっちのボウルをこすりながら、あっちのボウルを叩いて、その次はこっちをこすりながら、あっちもこする・・・というように、常に身体を動かし続けています。

このとき、演奏に必要なすべての動きは、無駄がなく洗練された自然な流れの中にあります。

ピタっと触れてシャカシャカ回して、パっと離してコツンと叩くのではなく、ふわっと触れてぐわーんと回して、そっと離してポンと叩きます。

兵隊のように格式ばったカクカクした動きではなく、蝶が舞うように自然で柔らかな動きです。自然な動作は、奏者の身体的な疲労を軽減することにもつながります。

無駄のない、自然でやわらかな動きは、そのまま音に反映されます。

音量の目安

クリスタルボウルは大きな音量が出せる楽器です。クリアーライトボウル/アルケミーボウルの8インチサイズなら、体育館くらいの広さを響かせることができます。

ボウルから大きな音が出ている=ボウルが大きく振動している、ということです。音量を出し過ぎると演奏中にボウルが割れてしまうことがあります。マレットの力加減や回転速度による音量のコントロールをしっかり身につけていきましょう。

サウンド・バスにおける音量の目安としては、日常会話の声以上に大きな音は出さないようにすべきです。ボウルを演奏しながら、ふつうの声で会話ができるくらいの音量です。大声でないと会話できないような状態は、音量の出し過ぎです。

日常会話の音量は、私たちがもっともよく触れているものです。それよりも大きいと「うるさい」と感じられ、耳を塞ぎ、感覚が閉じてしまいますが、音量が小さければ小さいほど耳を澄まし、感覚が開き始めます。大切なことは怒鳴って伝えるのではなく、ささやくのと同じです。

聴者の感覚をしっかり開いて、心地よい音を届けていきましょう。適切な音量なら、自宅で練習しても騒音にはなりません。

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音の止め方

音が鳴っている最中のボウルは、ボウル自信が振動をしている状態です。ムリに音を止めようとすると、振動を急激にストップさせることになり、ボウルを破損させてしまう恐れがあります。

通常の演奏中は意図的に音を止めることはありませんが、自宅の練習などで音を止めたくなったときの安全な方法を紹介します。

マレットを横向きに持ってボウルの下部に当て・・・

音の止め方

そのまま下から上にスライドするように動かすと、すっと音を止めることができます。

この方法以外で音を止めたり、音が鳴っている最中のボウルに手を触れたりするのは避けましょう。

こすって長い音を出してみよう

マレットをボウルのフチに当てて円を描くように回転させると、「ほわーん」というとても長い音を出すことができます。クリスタルボウル演奏の基礎となる、こする奏法を身につけましょう。

こする奏法の基本

クリスタルボウルの上部・エッジのフチをよく見てみましょう。すとんとした直角ではなく、ごくわずかに斜めになっていると思います。

こする奏法では、マレットの先端から数cmくらいの位置(先端の白いゴム部分ではなく、ねずみ色のスウェード部分)をボウルのエッジ斜め部分に押し当て、エッジ沿ってマレットを這わすように動かすのが基本です。回す方向は左右どちらの手のときも「時計回り」です。

  1. マレットをきゅっと強めにつまみ、ボウルに対してマレットがわずかに「ハ」の字になるように手を内側(ボウル側)へ傾けます
  2. エッジ部分にマレットを当て、ぐわんと時計回りに回し始めます。回転させるスピードの目安は、お鍋に入ったカレーを混ぜるくらいの速さです
  3. 音が鳴り出してきたら、マレットをボウルに押し当てる力を弱めて回転の速度を落とし、音量をコントロールします
  4. マレットをボウルから離すときは、習字の筆を離すように「そっ」と離します。決して「ぱっ」と離さないでください

両手で回してみよう

まずは利き手だけでまわす練習を行い、慣れてきたら両手で回すことにもチャレンジしてみましょう。

回す方向は両手ともに同じ方向にします。右手と左手で回す方向が反対になっていると、途中で手がぶつかってしまう恐れがあるばかりか、音の波(位相)が逆になると、それぞれの音を打ち消し合ってしまいます。動きとしても、逆回転させるのは難しいですよね。

手首の動きで回すのではなく、しっかりと腕・上半身を使って両手で回してみましょう。

こする奏法はマレットの当て方・力加減・スムーズな動きが重要なポイントです。スムーズにマレットを動かせないと、こすっているつもりが音を止めていることがあります。やわらかく動き続けましょう。

対面でしっかり演奏方法を学びたい方に向けて「クリスタルボウル サウンド・バス レッスン」というレッスンを行っています。お気軽にご参加ください。

叩いて明瞭な音を出してみよう

ボウルにマレットをやさしく当てると、「こーん」という明瞭な打撃音を鳴らすことができます。クリスタルボウル演奏にアクセントを与えてくれる、叩く奏法を身につけましょう。

叩く奏法の基本

「叩く」という表現を使っていますが、やさしく「触れる」くらいの力加減です。力もスピードもまったく必要ありません。

太鼓のように強く叩くとボウルが割れてしまいます。特に、これまでクラシックフロステッドボウルや金属製のシンギングボウルを使っていた人は力加減に注意をしてください。

  1. すとんと抜け落ちそうなくらいの弱い力加減でマレットをつまみます
  2. ボウルに対してマレットがわずかに「ハ」の字になるように手を内側(ボウル側)へ傾けます
  3. すっと手を動かして、マレットの下部をボウルの上部に当てます
  4. マレットがボウルに当たったときの反作用の力を使って、スムーズにマレットをボウルから離します

緊張しているとやわらかな「手の動き」ではなく、素早い「手首のスナップ」でボウルを叩いてしまいます。ボウルとしっかり仲良しになって、スムーズな動きを心がけましょう。

対面でしっかり演奏方法を学びたい方に向けて「クリスタルボウル サウンド・バス レッスン」というレッスンを行っています。お気軽にご参加ください。

クリスタルボウルの演奏で大切なこと

ひととおりボウルを鳴らせるようになったら、本格的な「演奏」に挑戦してみたくなりますが・・・サウンド・バスにおけるクリスタルボウルの演奏でもっとも大切なのは「鳴らしたい音を・鳴らしたいタイミングで・きちんと鳴らせる」ことです。

たとえば、「こーん」とやさしく叩きたいのに、「コキーン!」という強い音になってしまったり、こすっている最中の音がピタッと止まってしまっては、どれだけ高価なボウルを使っていても、聴者には苦痛しか与えません。

基礎の部分は日々の練習の積み重ねです。練習をせずに技術を身につけることはできません。

鳴らしたい音を・鳴らしたいタイミングで・きちんと鳴らせるようになったら、まずはあなた自身が心地よいと思える音を紡いで、演奏してみましょう。

自分自身の感覚で行う演奏は、自分だけのクリスタルボウル サウンド・バスの世界であり、自分が心地よいと思える音を誰かに届けて、同じように心地よく感じてもらえるのは、とても誇らしいことです。自分自身も癒されます。

もし、より理論的な、実践的な演奏方法を学びたいときには「クリスタルボウル サウンド・バス レッスン」でお待ちしております。

音の世界を広げていきましょう。

紙で読んでみたい!というときには、こちらの書籍もどうぞ。

信頼できるスクール・レッスンを見つけましょう

日本にはクリスタルボウルの国家資格はありません。言うなれば、全員が「自称 クリスタルボウル奏者」です。また、全米ヨガアライアンスのように世界中で認知された大きな団体もありません。

そのような状況の中で「どこかでクリスタルボウルを学んでみたい」と思ってみたときには、信頼できるスクール、レッスンを見つけることがとても大切になります(お金と時間がもったいないです)。

スクールやレッスンを探すときは・・・

  • その講師・団体の演奏を自分は好きか?
  • その講師・団体のブログやHPを読んで、内容が納得できるか?
  • レッスンカリキュラムや料金に納得できるか?

が、まず重要です。

さらに、信頼度を知るために・・・

  • その講師・団体のYouTubeのチャンネル登録者数はどのくらいか?
  • その講師・団体は頻繁に演奏活動をしているのか?

も、確認しておきましょう。

「私には○○人の生徒がいます」や「私は世界中にクライアントがいます」というようなアピールは、何の裏付けもなく誰でも書くことができます。しかし、YouTubeのチャンネル登録者数というのはリアルな数字です(TwitterやInstagramであればフォロワーを「お金で買って増やす」こともできますが、YouTubeのチャンネル登録者は買うことができません)。

世界中に何千人ものファンがいると主張しているのに、YouTubeのチャンネル登録者数が数百人だったら・・・ひょっとしたらウソを書いているのか、慕われていないのかもしれません。

「機械は苦手なのでYouTubeはやっていません」という奏者さんもいるかもですが、それであれば生演奏を聴ける機会がどのくらいあるのか(頻繁に演奏活動をしているのか)を確認しておきましょう。

「YouTubeもやっていません、生演奏の活動も(ほぼ)やっていません」だと、そこで習ってどのような演奏ができるか不明瞭ですし、あまりノウハウを持っていないかもしれません。

これからも静かな音とともにありますように。

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