クリスタルボウルのことを、よく「クリスタルボール」と間違われます。楽器のクリスタルボウルは英語で書くと「Crystal Bowl」で、ホットケーキとか作るときに使う「ボウル」です。ソフトボールで投げたり打ったりする「Ball」とは異なります。
・・・2009年の7月。私は奄美諸島近郊で起きる今世紀最大の皆既日食を、ロシアの大型客船で見るツアーに参加していました。皆既日食の前後に合わせて、船内でクリスタルボウルのライブをやる予定でした。
スタッフの方から「クリスタルボウルをやる人がもうひとりいたので、コラボしたらいかがですか?」と提案され、それはおもしろそうだと思ってお会いしてみたところ・・・どうにも話が噛み合わないのです。
「はじめまして。マガリです。僕のクリスタルボウル サウンド・バス®は7つ並べてハーモニー作ったり、ゆるく重ねていくやり方で演奏しています」
「そうなんですね。俺はDJと一緒によくやってますよ」
・・・ディ、DJ・・・。いろんなスタイルの人がいるものだと思いつつ・・・。
スタッフの方が「甲板の上で青空を見上げながらっていかがですか?」と提案してくれたのに対し、私は「いいですね!」と答えたのに、「それはムリです!手が焼けてしまいます!」とのこと。
・・・焼ける・・・? 日焼けのことかしら・・・。
なんだか噛み合いにくいなと思いつつ、初対面の人だし、お互いのスタイルを尊重しながらコラボしたいなと思っていたら・・・閃いたように言われました。
「ひょっとして、クリスタルボウルってこっちのボウル?楽器の方?」
「え?そうですよ?」
「やっぱり!どうりで噛み合わないと思った!俺のはコンタクトジャグリング、クリスタルボールの方だよ!」
なんと、楽器のクリスタルボウルではなく、透明なクリスタルの玉(ボール)を不思議に操って目を奪う、コンタクトジャグリングの「クリスタルボール」だったのです。
同じ発音だからスタッフの人が勘違いしていた模様。そりゃDJと一緒にやるだろうし、直射日光の下だったら手も焼けますよね。
お互い笑い合って、結局クリスタルボウルとクリスタルボールの共演ということで、船内ライブを行いました。
皆既日食というコズミックレベルの強烈な体験をした後の演奏はとても楽しく、いまでもよく思い出しています。
その後、2012年のオーストラリア皆既日食にも行きました。2016年のインドネシアはちょっと難しそうだけど、2017年のアメリカ皆既日食は必ず行ってみようといまから計画中です。
私がやっているのは、クリスタルボールじゃなくて、クリスタルボウルです!