クリスタルボウルはどのくらいの衝撃で割れるのか実験してみました

水晶から作られたクリスタルボウルは「割れる」楽器と言われています。割れてしまう以外は、温度や湿度の変化に強く、汚れたらジャブジャブ丸洗いすることもできるため、アコースティック楽器や電子楽器より取り扱いは簡単なのですが・・・

では、どのくらいの衝撃が加わると割れるのか?について実験をしてみました。衝撃的な内容なので画像はありません。

実験に先立ってお断りです。クリスタルボウルの製造は工場の機械で行いつつも「偶然」の要素が大きく、作れば作っただけ品質のよいものが完成するわけではありません。中にはまったく音が鳴らない(響かない)ものや、ヘンな形で仕上がってしまい、廃棄されるものがあります。

今回実験で使用したボウルは、そういった「失敗作」であり、楽器にならないものです。私はクリスタルボウルが大好きです。決して乱暴な気持ちで実験をしたわけではなく、皆様がより大切にできるような指針作りのために実験をしました。

また、実験の結果はあくまで一例です。同様の行為でクリスタルボウルが破損しないという保証をするものではありません。

クリスタルボウル 割れる実験内容

「持ち歩いている最中」、「収納・設置時」、「演奏時」によくあるシチュエーションを想定しながら、何パターンかを試してみました。

真横から衝撃を与えてみた

クリスタルボウルをビニール袋に入れて、コンクリートの壁にぶつけてみました。そこそこの力でぶつけても「ごいーーーん」と跳ね返ってきます。割れません。フルスイングでぶつけたら違うかもですが、歩いている最中にぶつかったくらいの衝撃では割れなさそうです。

とがった衝撃を与えてみた

同じようにビニール袋に入れたまま、コンクリートの角にぶつけてみました。壁のような「面」の打撃ではなく、「点」の打撃です。しかし、これも跳ね返ってきます。歩いている最中くらいの力では割れなさそうです。

落としてみた

ビニール袋に入れたまま、手に抱えた状態からアスファルトの地面に落としてみました。見事に割れました・・・。

外側から内側へ圧力をかけてみた

クリスタルボウルをビニール袋に入れて、外側から内側へ「ぐいっ」と押して圧力をかけてみました。ドキドキしたけど割れません。これはあんまりないシチュエーションですね。

内側から外側へ圧力をかけてみた

クリスタルボウルをビニール袋に入れて、そのボウルとギリギリのサイズのボウルを内側に押し込んでみました。バキっという音とともに、外側のボウルがあっさりと割れました。

ボウルの内側へ重いものを落としてみた

床に置いたボウルの内側へ、座った状態から金属の音叉(チューニングフォーク)を落としてみました。見事に割れました・・・。

まとめと考察

まとめです。以下のような結果となりました。

  • 側面への打撃:強い
  • 底面への打撃:弱い
  • 外側からの圧力:強い
  • 内側からの圧力:弱い
  • 内側への打撃:弱い

演奏時にマレットが触れる側面の部分は、外部からの衝撃に強く設計されているようです。

反対に、底面への打撃、内側からの圧力・打撃は非常に弱かったです。

起こりうるシチュエーションとして・・・

  1. 底面への打撃:持ち運んでいる最中に落とす、テーブルの上などで演奏中に落とす、ボウルを設置する際そのまま床に置く(Oリングを置いてから設置しましょう)
  2. 内側からの圧力:ギリギリのサイズのボウルを内側に入れて「入れ子」にしようとする
  3. 内側への打撃:ボウルの中へ物を落とす、金属製のアクセサリーなどがぶつかる

以上を踏まえると、クリスタルボウルが割れてしまうシチュエーションというのは、演奏の前後、演奏中のことがほとんどです。ケースに入れて持ち運んでいる最中ではありません。

クリスタルボウルを演奏するときには、しっかりと気持ちを落ち着けて、すべての金属製アクセサリーを外し、ボウルに近づいてくるお客さんにも同様のお願いをしましょう。

大切なクリスタルボウルと、末永く一緒にいられますように。

 

最後にもう一度。私はクリスタルボウルが大好きです。決して乱暴な気持ちで実験をしたわけではなく、皆様がより大切にできるような指針のために実験をしました。

また、実験の結果はあくまで一例です。同様の行為でクリスタルボウルが破損しないという保証をするものではありません。

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