ときどき「432Hzのクリスタルボウルはありますか?」や「444Hzはありますか?」というご質問をいただきます。これがなかなか難しい話なので、ブログでも紹介します。
432Hz、444Hzとは
まず、432Hzや444Hzというのは「基準として定めた音の音程」の周波数を表しています。
一般的には「A(ラ)」が440Hzになるように設定し、1オクターブ上がると周波数が倍(880Hz)になるようにして、1オクターブの間を12分割し、ドレミファソラシ〜という音階を決めていきます。この決め方を「平均律」と呼び、ピアノでもギターでもクリスタルボウルでも使われています。
私の「A(ラ)」と誰かの「A(ラ)」の音(周波数)が違ってはオーケストラが作れないので、国際的な基準として「A(ラ)は440Hzにしよう!」と定められました。共通言語みたいなものですね。
ここで、基準音である「A(ラ)」を440Hzではなく432Hzや444Hzに設定すると、ちょっと雰囲気が違った音になり、その音の周波数が心身に作用するのでは?という考え方があります。
それでは、それぞれの音階と周波数を紹介します。半音(#)は省略し、小数点以下は四捨五入しています。
A(ラ)=440Hzの音階と周波数
もっとも一般的なのは440Hz基準です。ほかの楽器とも合わせやすく、耳に馴染みのある音になります。
- C(ド)262Hz
- D(レ)294Hz
- E(ミ)330Hz
- F(ファ)349Hz
- G(ソ)392Hz
- A(ラ)440Hz
- B(シ)494Hz
- C(ド)523Hz
A(ラ)=444Hzの音階と周波数
ソルフェジオ周波数と呼ばれる528Hzのドが産まれるのは、444Hz基準にしたときです。
- C(ド)264Hz
- D(レ)296Hz
- E(ミ)333Hz
- F(ファ)352Hz
- G(ソ)396Hz
- A(ラ)446Hz
- B(シ)498Hz
- C(ド)528Hz
A(ラ)=432Hzの音階と周波数
- C(ド)257Hz
- D(レ)288Hz
- E(ミ)324Hz
- F(ファ)343Hz
- G(ソ)385Hz
- A(ラ)432Hz
- B(シ)485Hz
- C(ド)514Hz
では、この周波数はクリスタルボウルでも再現できるものでしょうか。
クリスタルボウルの音と周波数
クリスタルボウルは厳密に音程を合わせて製造することが困難です。ピアノやギターのように後から音程を変える(チューニングする)こともできず、わずかな音程のズレを持って完成することがほとんどです。
そのため、クリスタルボウルの音階を厳密に表すときは「C +15セント」というように、規定されている周波数からのズレを「セント」という単位で併記します。半音変わると100セント変わり、「C +50」のボウルと「C# -50」のボウルは同じ音です。
1オクターブ(12音階)は1200セント、1セントと周波数の比は約1.0005777895となります。
難しい計算式は省きますが、A=440Hzを基準にしたボウルであっても、「C +16」なら、528.11Hzという、ほぼ528Hzに近似の音になるのです。同様に、「A +16」なら、444.09Hzという、ほぼ444Hzになります。基準の周波数が何であれ、ピッチのズレのために別の周波数になってしまうというわけです。
※詳しく知りたい方のために、ピッチのズレと周波数の計算式をエクセルにしました。ダウンロードはこちら。Google Docのスプレッドシート版はこちら
「444Hzを基準にしたクリスタルボウル」のように周波数を意識してボウルを選ぶなら、ものすごく厳密にピッチが合ったものでないと、実は440Hz基準と変わらないというオチになる恐れがあります。+15や+25くらいにピッチが違うボウルはたくさんあります。「444HzボウルのC プラスマイナス0」は528Hzですが、もし「C +20」になると、それは534Hzです。
というわけで・・・ややこしいですね!読んでいて疲れますよね!
私は「特定の周波数が特別な役割を持っている」という考え方は否定しません。音には未知なる可能性がたくさんあります。今回のブログでお伝えしたいのは、「クリスタルボウルの音は電子音と違って厳密に決められないから、特定の周波数を選ぶのは大変ですよ」ということです。
私個人の考えでは、クリスタルボウル サウンド・バスで重要なのは音の響きとハーモニーです。1ヘルツや2ヘルツの違いではなく、より大きな視点のものです。難しく考えすぎることなく、体験して心地よいものを選んでみるのがよいと思います。
それでも528Hzボウルが欲しい!という方へ、ごく小数ですが528Hzボウルを作ってみました。音階では高いドに近い音、サイズは超小型の5インチです。
チューナーアプリで計っても、しっかり「528Hz」になっています(ピーっという電子音とは違って「ゆらぎ」があるので、ごくわずかな変化はあります)。
手のひらに乗るほど小さく、400g以下の軽いボウルなので、演奏するのには技術と慣れが必要です(大きくて重たいボウルほど鳴らしやすいです)。音量や音の伸びも小さいです。
ぶっちゃけると、コレだけ持っていてもヒーリングには使いづらいです。高い音なので、コレばっかり聞いていても耳鳴りみたいな印象です。別のクリスタルボウルと混ぜて演奏しましょう。
購入したい方はクリスタルボウル サウンド・バスSHOPからどうぞ。
私は「珍しい音を出す」という理由で製造原価が同じものにプレミア価格は付けたくないので(クリスタルボウルで荒稼ぎしたくないので)、非常に手頃な値段になっています。
在庫が切れているものは「再入荷お知らせ」を押していただけると、追加できるかもしれません。