クリスタルボウルの音量はどのくらい? 広い場所でも演奏できる?

「クリスタルボウルはどのくらいの音量が出せますか? 広い場所で演奏するなら大きなボウルの方がよいですか?」というご質問をいただくことがあります。

🗣️ボウルの音量は非常に説明が難しいので、ゆっくり解説します。



1️⃣️ クリスタルボウルはマレットでこすったり・叩いたりして音を鳴らすアコースティック楽器です。

マレットをブン回して力強く鳴らせば大きな音を出すこともできますが、それでは音色が「こーん…かーん…」から「ゴギーン! ガギーン!」のような強いものに変わってしまい、ゆったりとした癒やしの体験からは遠のいてしまいます。

「大きな音を出そうと思えば出せるけど、音色の心地よさが消えてしまう」わけです。


2️⃣️ クリスタルボウルは大きなものほど音が低くなります。

ボウルはサイズが大きくなるほど音が低く、小さくなるほど音が高くなります。大きいけど高い音が出せるものはありません。

たしかに大きなボウルの方が最大音量には余裕がありますが、大きなボウルばかりだと「ごいーん…ぼよーん…」という音しか出せず、「天に昇るようなキレイな音色」ではなくなってしまいます(瞑想や睡眠が目的なら低音ボウルだけでもよいです)。

「大きなボウルは音量に余裕があるけど、音色が低いものに限られてしまう」わけです。

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では、大小さまざま・幅広い音階のボウルをやさしく鳴らしたときにどのくらい音が届くのかは…音を鳴らす空間(の環境)によって大きく変化するため、一概には言えません。


コンクリート打ちっぱなしの壁にフローリングの床のような「固くて密度の高い空間」は、音の波がしっかり反射されるので大きな音で聞こえます。岩盤浴の中だと声が響きますよね。


襖と障子の壁で天井には欄間があって畳敷きのような「柔らかくてスキマの多い空間」は、音の波が吸収・拡散されるために音が小さくなります。布団の中で大声を出してもあまり聞こえません。


私の経験だと、シンプルなヨガスタジオなら50人くらいの広さでも生音で演奏をしていましたが、床一面が豪華なカーペット敷きのお部屋は音が響かなくて苦労しました。

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ひとつの基準として、「ふつうの喋り声が聞こえるか?」を意識してみましょう。

ふつうに喋って聞こえるくらいの空間であれば、小さなボウルをやさしく鳴らしても音が届きます。マイクを使わないと声が聞こえないときはボウルにもマイクを使いたいです。



そして…そもそも「クリスタルボウルは広い空間・大人数で聴くものではない」ということも意識しておきたいです。

広い空間では壁で音が反射しないために「音に包まれている」感じが減りますし、学習塾や小料理屋さんと同じで少人数であればあるほどおひとりずつに寄り添った演奏ができます。

多くても10人くらい、快適なのは6人以下で、広すぎず狭すぎずな空間が一番よいです。それであれば、どのような大きさ(小ささ)のボウルでも音を届けられます。


「たくさんの人に聴いて欲しい!」「広い場所で演奏してみたい!」という願望があったとしても、奏者のエゴにならず、演奏を聴いてくれる方の体験を最優先に考えてみましょう。


少人数の体験が心地よいからこそ、たくさんの奏者さんが全国各地のそれぞれのフィールドで活躍できる未来につなげることができると夢見ています。

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