よくいただく質問について、私なりの回答をご紹介します。
クリスタルボウルを演奏するのに音楽の素養は必要ですか?
演奏の目的が「音楽」ではなく、「サウンドヒーリング」であるなら、必要ないと思います。「あるに越したことはない」というレベルより低く、まったくなくても構わないと思います。
クリスタルボウルはドレミファソ〜と音階が決まっているので、その点からは「楽器」と呼べますが、サウンドヒーリングで演奏するのはメロディのある「音楽」ではありません。楽譜も存在しないから、五線譜が読めなくても大丈夫です。
どの音とどの音を重ねたら美しいか、落ち着くか、きらびやかな気持ちになるか、そういったのを感じ取れる感性がなにより大切だと思います。
もちろん、音楽の素養があれば「この音を重ねれば美しいハーモニーが作れる」というのがあらかじめ分かりますが、クリスタルボウルの音階(ピッチ)はピアノのように厳密なものではありません。ボウルごとにわずかに差があるのがふつうですし、同じ音階のボウルでも、「こいい〜〜〜ん」と鳴らしたときの倍音部分の響き(い〜〜〜んの部分)の音階が、それぞれ違います。
身も蓋もない表現をすれば「鳴らしてみないと分からない」のがクリスタルボウルの音とも言えます。
この音の違いがそれぞれのボウルの個性、そして演奏者の個性につながっていきます。
私が持っているドレミファソ〜と、他の誰かが持っているドレミファソ〜は微妙に違う音。違うからこそ、自分のボウルに愛着が沸き(他人のボウルだと演奏しづらい)、その音を操れるようになったときには、ほかの誰とも違う演奏が行えます。
とにかく自分のボウルと向き合ってみましょう。
その音を鳴らしたときにどういう気持ちになるのかを感じ取ってみましょう。
複数の音をどう鳴らしたときにどういう気持ちになるのかを感じ取ってみましょう。
そのためには、真っ赤な夕日を眺めたり、でっかいお風呂に入ったりするのがよい勉強になると思います。
心地よいと思える体験。それをボウルを通じて再現することが大切だと考えています。