クリスタルボウルは440Hz?432Hz? について

クリスタルボウル サウンド・バスSHOPで販売しているボウルは440Hzですか? 432Hzですか?」という質問をいただくことがあるので、そんな話をブログでも書いてみます。

※細かなことは省略しますが、「440Hzは悪い周波数で、432Hzはよい周波数である」という考え方があるようです

440Hz・432Hzとは

まず、ここで言う440Hzとか432Hzとは「A(ラ)の音の周波数」を表しています。

現代の多くの楽器は「A(ラ)=440Hz」になるように調整をして、1オクターブ上がると周波数が倍(880Hz)になるように、1オクターブの間を12分割してそれぞれの音階の周波数を決めていきます(平均律)。

A(ラ)=440Hzの音階と周波数

  • C(ド)262Hz
  • D(レ)294Hz
  • E(ミ)330Hz
  • F(ファ)349Hz
  • G(ソ)392Hz
  • A(ラ)440Hz
  • B(シ)494Hz
  • C(ド)523Hz

このとき、「A(ラ)=440Hz」ではなく、「A(ラ)=432Hz」を基準として音階を決めていくと、以下のような周波数になります。

A(ラ)=432Hzの音階と周波数

  • C(ド)257Hz
  • D(レ)288Hz
  • E(ミ)324Hz
  • F(ファ)343Hz
  • G(ソ)385Hz
  • A(ラ)432Hz
  • B(シ)485Hz
  • C(ド)514Hz

「432Hz」は「440Hz」よりも全体的に低い音になるわけです。

クリスタルボウルにおけるピッチのズレについて

さて、クリスタルボウルは厳密に周波数を調整できる楽器ではありません。ピアノやギターのように「チューニング」ができないため、音階に「+15」や「-30」といった「ピッチのズレ」を表す数値を記載しているのが一般的です。

ピアノやギターだと「音が微妙にズレている」なんてのはあり得ない話ですが、クリスタルボウルはそういうものなのです。

 

では、A=440Hzに話を戻します。これはすべての音階の基準となる「A(ラ)の音の周波数」でした。

しかし、クリスタルボウルはいくら基準となる音を定めたとしても、個々の音をキッチリとチューニングすることができないので、さまざまなズレが起きます。

たとえば、A=440Hzの基準でも、ピッチが32マイナスになった「A -32」だと、そのボウルの音は「431.94Hz」という432Hzの近似値になりますし、A=432Hzであっても 「A +32」だと「440.06Hz」という440Hzの近似値になります。

 

YouTubeに「432Hzのクリスタルボウル 7つセット」の試奏の動画がありました。

https://youtu.be/iq33rysQM2g

B→A→G→F→E→D→Cの順(だんだん低くなる順)で叩いておられます。それぞれの音の周波数とピッチのズレをチューナーで計測してみたところ・・・

  • B:484.6Hz (440Hz基準で B -32、432Hz基準で B -1)
  • A:433.5Hz(440Hz基準で A -27、432Hz基準で A +4)
  • G:391.4Hz(440Hz基準で G +1、432Hz基準で G +33)
  • F:342.1Hz(440Hz基準で F -37、432Hz基準で F -5)
  • E:328.7Hz(440Hz基準で E -1、432Hz基準で E +30)
  • D:287.7Hz(440Hz基準で D -36、432Hz基準で D -4)
  • C:256.6Hz(440Hz基準で C -33、432Hz基準で C -1)

という結果でした。たしかに、432Hzの音もありますが、GとEは432Hzボウルと呼ぶには音がズレすぎていて、440Hzと呼ぶべき音です。耳のいい人ならチューナーなしでも聞き分けできるはず。シラソファミ〜と順番に下がっていくとき、ソとミだけ音程が高いですよね。

ここまでの違いは、録音の仕方とか、再生するスピーカーとか、演奏の方法で変わるものではありません。確実に「ボウルそのもの」が持っている音として異なっています。演奏の仕方を変えたところで、30セントのピッチのズレは変えられません。

これはたぶん・・・メーカーさんが「432Hzのボウル」と「440Hzのボウル」を入れ間違えたのだと思います。

もし、432Hzにこだわりたいのであれば、信頼できる販売店からきちんとデータを開示してもらった上での購入をオススメします。

クリスタルボウルは一生のうちに何個も買うものではありません。大切に扱えば、長年愛用できるものです(私は10年以上使用しているボウルがあります)。

ひとりひとりが意識と知識を高めて、人生をともにできる運命のボウルと出会えますように。

 

※このブログ記事は、特定の個人・特定の企業への攻撃・嫌がらせが目的ではありません。業界全体の意識向上、注意喚起のために公開しました

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