クリスタルボウルの演奏を初めてみたい方に向けた「ファーストステップレッスン」にて、「クリスタルボウルは440Hzですか? 432Hzですか?」というご質問をいただきました。
解答としては「基本的には440Hz基準で、一部には432Hz基準のボウルもあります」となるのですが、本日のブログはそのあたりを詳しくご紹介します。
440Hz・432Hzとは
ご質問いただいた「440Hz」や「432Hz」とは、各音階を定める際に基準としたA(ラ)の音の周波数を表しています。それぞれのボウルが鳴らすことができる周波数という意味ではありません。
440Hzや432Hzと似たような数字で「528Hz」というものがありますが、これはそのボウルが鳴らせる周波数を意味しています。
すべての音は「周波数」という絶対的な数値で表すことができます。クリスタルボウルの音もカエルの鳴き声も雨音も、すべて「周波数○○Hz」と言えるわけです。
しかし、周波数の数値は覚えづらいです。誰かと一緒に楽器を演奏したり、楽譜を書いたりする際にも不便ですよね。そこで、「この周波数はラと呼んで、そこから2倍の周波数になったらオクターブの高いラと呼んで、その間にある周波数を12等分してラ・ラ#・シ・ド・ド#・レ・レ#・ミ・ファ・ファ#・ソ・ソ#と呼ぼう!」というようなことを偉い人たちが決めました。
周波数という絶対的な数値に対して分かりやすい呼び名を付けたわけです。
でも、それぞれの周波数に呼び名を付けるのであれば、その基準(スタート地点)となる周波数を決めなくてはなりません。複数の国と地域が協議をした結果、「440Hzを基準にする」ということが(一応)決定し、1955年に国際標準化機構(ISO)によって採択されました。440Hzを基準にした楽器は「A=440Hz」のように表現されます。
ただし、440Hzを基準にするというのは強い強制力を持ったルールではありません。大勢で楽器を演奏する際、仲間内で統一されて入ればよいぐらいの話です。そのため、ドイツやオーストリアのオーケストラでは442Hzや443Hzを基準として使われることもありますし、バロック音楽の演奏では415Hzが使用されることが一般的です。
クリスタルボウルも一般的には440Hzを基準にしていますが、一部に432Hzを基準にしたものもあり、「432Hzのクリスタルボウル」のように呼ばれています。
どうして432Hzを基準にするの?
では、どうして432Hzを基準にするのでしょうか? 440Hz基準ではダメなのでしょうか?
その理由は、一部のスピリチュアルな世界で「432Hz基準の音は癒しの力が強い」という主張があるためです(科学的な根拠はありません)。
この説が好きな方に向けて432Hzを基準にして各音階を定めたクリスタルボウルも販売されているというわけです。
432Hzのメリット・デメリット
432Hz基準のクリスタルボウルは癒しの力が強いかどうかは個人の感覚によって変わってくるでしょう。
432Hz基準のクリスタルボウルを使うデメリットとしては「ほかの楽器と合奏しづらい」というのがあります。
一般的なピアノは440Hzまたは442Hzで調律されています。ギターなどバンド系の楽器は440Hz、オーケストラは442Hzや444Hzだと思います。432Hz基準のクリスタルボウルと同じ音階を鳴らしても(基準となる周波数が異なっているので)少し違う音に聞こえてしまうのです。
また、432Hz基準のクリスタルボウルと440Hz基準のクリスタルボウルを同時に鳴らしても違和感が出ます。カラフルな見た目で人気の「アルケミーボウル」は基本的にすべて440Hzを基準としており、「432Hzのアルケミーボウル」というようにしっかりアピールして販売されているものは見かけたことがありません。
もし、アルケミーボウルで432Hz基準の音を使いたい場合、ピッチが「ー30」のものを選んでみましょう。440Hz基準でピッチがー30になると、実質的に432Hz基準の音と同じになります。
というわけでまとめです。「クリスタルボウルは440Hzですか? 432Hzですか?」というご質問については・・・
- 一般的には440Hzを基準にして各音階を決めていますが、一部に432Hz基準のクリスタルボウルも存在しています
- 特別な表記がなければ440Hz基準だと思われます。アルケミーボウルは基本的に440Hz基準です
- 440Hz基準のものであっても、ピッチのズレがー30あると実質432Hz基準の音と同じになります
クリスタルボウル サウンド・バスSHOPでも432Hz基準のクリスタルボウルを販売しています。ぜひ、たくさん試聴してお気に入りのものを見つけてみてください。