宇宙ヨガ祭り 2015

 

4月11日(土)・12日(日)の二日間に渡り、和歌山県の温泉宿・かじか荘と、プラネタリウムや大望遠鏡のあるみさと天文台を舞台に「宇宙ヨガ祭り」という一泊二日のリトリート+祭りのイベントに参加してきました。

宇宙ヨガ祭り


http://uchu-yoga2015.tumblr.com/

4月10日(金)

深夜バスにて東京から和歌山へ。10時間のバス旅はそこそこ快適。案外ぐっすり眠った気がします。しかし、和歌山は雨。ときおり激しく降ることもあり、空を見上げる時間が自然と長くなります。明日は朝からプログラムが目白押しで、日曜日には野外でヨガをやる予定。さてこれは・・・どうしたものか。

買い出しをして、かじか荘へ資材を搬入。みさと天文台へ挨拶に行ったり、慌ただしく準備が進められていきます。

4月11日(土)

朝になってもまだ降り続く雨。しかし、お客さんが入場してくる9時ごろになると不思議に雨が上がりました。太陽が明るく水滴を照らし始めます。キラキラとした葉や花たちは、まるで光を身にまとったよう。あまりにキレイだったので、葉にしたたる水の粒を舐めてみました。さぁ、スタートです。

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ウェルカムチャイでお迎えし、自己紹介タイム。約30名の参加者はほとんどが女性でしたが、年齢の幅や住んでいるところは本当に幅広く、埼玉から来たという人もいました。自己紹介の後は、最初のプログラムであるShizu先生のヨガ哲学お話会へ。

私はお話会の裏で、続けて行われるヨガ+クリスタルボウルの会場設営を行っていました。ヨガはヨガマットを円形に敷いて、みんなサークル状になってやる予定で、会場にかかっていたバティック(デコレーション用の布)の模様もサークル状だったので、ステージ上に7つのクリスタルボウルと7つの木の切り株を並べ、ボウルと切り株で大きなサークルを作りました。東京に住んでいる私が和歌山で演奏するという縁への感謝も込めて、まるく、まぁるく。

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ヨガ哲学が終わり、皆さんがヨガ+クリスタルボウルの会場へと移動してきます。では、始めましょう。

ボウルの演奏は「間」がとても大切です。極端な物言いをすると、鳴らしているときより鳴らしていないとき、間の時間で完成度が変わります。しかし、鳴らしていない時間というのは演奏者にとっては不安になりがちです。お客さんも「え?なんで演奏してないの?終わり?」という気持ちになるかもだし、間を入れた次の一音を鳴らすのは、鳴らし続けているときの一音とはまた違った緊張感があります。

Shizu先生からの提案もあり、今回のヨガ+クリスタルボウル時間は、この「間」を大きく取り、終盤はまったく演奏しないというスタイルにしました。静かな中から聞こえてくる(鳴らしていない)音、ヨガマットの外側にある世界、自分たちが日常と考えている時間の外側にある巨大な非日常。

約90分のヨガ+クリスタルボウル時間が終わった後は、2チームに分かれて順番に草木染め体験と温泉入浴。

私もボウルを片付けて温泉へ。ものすごく広いわけでもなく、色が真っ黒だったり塩が強烈だったりという分かりやすいインパクトはないけれど、手入れが行き届いていて、しっかりとじっくり楽しめる温泉でした。うん、このイベントにはこのくらい繊細なのがいい。思えば遠くに来たもんだ。

そして、草木染め体験に参加しました。桜の木を煮出して作った染料を使い、桜色の絞り染めを作ります。手作りはやっぱり楽しいですね!お土産にもできるし、私も自分でこういうワークショップをもっともっと学びたいなーと思いました。

草木染めの後は、参加者の皆さんは夕食と星空観察へ。みさと天文台の大望遠鏡で星空を見られるのがうらやましい!(ちゃんと晴れたしね)
私はこの後に行われる夜のLIVEの打ち合わせ。そして翌日のお話会の資料作成をドタバタとこなしてから夕食へ移動。

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リトリートイベントとは思えない豪華な食事にビックリ。きちんとベジタリアン対応しているし、あまりに豪華だったのでもうイベントが終わったんじゃないかと思えてしまうほど。余談ですが、参加アーティストの全員が「ベジタリアン食」だったので、私も一応ベジ食にしといてよかったなと・・・ふだんは魚と肉も食べますが、イベント直前は気を遣うようにしています。

夜のLIVEは、私のボウル演奏でスタートし、AWAYAさんへバトンタッチするという流れ。AWAYAさんはたくさんの楽器、声を使ってプリミティブな世界を描いていきます。うーん、うらやましい。こういうの身につけたい。音の出し方など、いろいろ勉強させてもらいました。

AWAYAさんの演奏に合わせて高野山の僧・滝山隆心さんが踊りました。これもすごかった!身体表現、ボディアート。

そして最後に即興LIVE。ただ、直前までこの即興LIVEに私は参加しないもんだと考えていました。参加者名に掲載されていなかったし、一緒に即興をする人たちの音の内容をまったく知らされていなかったし、終わった後はすぐチルアウトブースという別室で演奏しなくてはならないタイムテーブルだったので、「出るの?出ないの?」が曖昧で、それならチルアウトブースに全力を注いだ方がいいんじゃないかなと。

ただ、AWAYAさんのLIVEを見ているときにIndigo Treeさんから話しかけられました(実はこのときまで、この方が即興LIVEのメンバーであることすら知りませんでした・・)。

「即興LIVEには出ないの?」
「そうですねー、盛り上げる感じだったらボウルはキツくないですかね?」
「まぁ大丈夫だよ。リードしてよ」
「どういう楽器使うんですか?」
「いろいろ使うよ」

・・・相変わらずどういう雰囲気でいけるのかサッパリ分からなかったけど、Indigo Treeさんの楽しそうな顔を見ていると、やってみようかなという気に変わりました。今までも100人組手スタイルでいろんな人とやってるから、大丈夫かな、うん。

なにも分からないままにスタートした即興LIVE。しかしこれ、圧巻のステージでした。音源残してないのがすごく残念!倍音+声+楽器、即興だからこそ作られる世界。お互いを信頼しあい、、試しあい、「ほほう、そう来るのね。それならこっちいっちゃうよ!」

奇蹟のステージはあっという間に終了の時間を迎え、私は慌ただしくチルアウトブースへ移動。夜の寝付き前に、タタミでゴロゴロしながらボウルを聞いてもらおうという場所です。

チルアウトブースはあっという間に満員となり、深い音で包まれました。お泊まりスタイルのイベントだと、こういうのができるから本当によいですよね。これからもリトリートは続けたいです。

今日は、ヨガと一緒にやって、夜にひとりでやって、即興LIVEでやって、チルアウトブースでやって。なんだかよく働きました。ふかふかの布団で就寝です。

4月12日(日)

朝7時に起床して朝食。バッチリ晴れています。ぷらーな食堂さんのお話会「ローフード&毎日をちょっとhappyにする食のおはなし」、AWAYAさんの「自然とともに生きる暮らし」を聞きながら、ゆっくりとした朝を過ごしました。

暖かな風を受けながら熊野神社へ向かい、参拝した後にみさと天文台へ。参加者の皆さんは野外ヨガと、音のヨガと言われるキールタンを行います。その間、私はひたすらプラネタリウムのスタッフさんと打ち合わせ。この後の「お話会+クリスタルボウル演奏」の準備を続けました。

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ひととおりの準備が完了した後は、キールタンの音を遠くに聞きながら草原の上でゴロリと昼寝。桜の花は本当にダンスを踊るように舞い散り、目に見えぬ風という存在が、桜という他者と出会うことによって美しい存在へと変わっていきました。風や光、想いといった目に見えぬものは、しかし大切なものは、他者と出会って始めてその存在に気づかされます。それならば、たくさんの想いをたくさんの人へ届けてみましょう。

 

この石はいつからここにあった石
この山はいつからここにあった山

この風と同じ風 1000年前に受けたなら 水清らかで山深く 居を構えるにふさわしい
この風と同じ風 100年前に受けたなら 帝国主義の足音よ 遠くの空へ飛んでくれ
この風と同じ風 10年前に受けたなら ちょっと寒いよね なんてあの子に近づいて

この風と同じ風 10年後に受けたなら もう若くはないんだから 一休みさせてよと
この風と同じ風 100年後に受けたなら 墓前の花はゆらゆらと
この風と同じ風 1000年後に受けたなら 私はきっと風のよう

 

・・・お昼ご飯はピクニック気分で「サ行研究所」さんのお弁当を外でいただきます。私はプラネタリウムの準備もあるから、ちょっと急ぎ気味にかっこんで。

プラネタリウムのプログラムは贅沢でした!まず最初は私から「頭を緩める祭りの話」という、世界のヘンなお祭りを紹介するお話し会。もちろん、そういったものから目を背けるのは簡単ですし、そういったものを「マジワロスwww」とか「マジキチwww」と他人事にして過ごすのも簡単です。しかし、私はそういった非日常と日常のボーダーを意識して、ヘンなものでも楽しめる能力というのを高めておきたいと考えています。なぜって楽しいから。

続けて、プラネタリウムのスタッフさんによる星空紹介。満天の星空を分かりやすく解説いただき、さすがの安定感。

そして目玉プログラムでもある、「プラネタリウム内でのクリスタルボウルLIVE」。これは贅沢な時間でした!ゴロリと寝転がってプラネタリウムを見ることもなかなかないし、そこへクリスタルボウルの演奏が付いてるんですもの!演奏者としては、かなり暗い中で、スペースの都合からかなり特殊な配置をしたボウルを鳴らすというので苦労もあったけど、これは贅沢でしたねー。

プラネタリウムに入れる人数に限りがあったので、こちらは2回に分けて行いました。

終わった後は再びかじか荘へと戻ります。そろそろイベントも終盤。みんなで感想を書いたりしました。私は河原に降りて石積み遊び。

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最後、Kayoさんがお別れライブをやって、サプライズなお土産をもらって、一泊二日の「宇宙ヨガ祭り」は終わったのでした。

振り返ってみると、本当にコンテンツが盛りだくさんでした。ついでに私の出番も多かった・・・。

わずか一泊二日のリトリート。あっという間の時間だったから、参加者の中には「あの時間が本当に存在していたのか分からない」と言う人もいました。

現実世界へ戻るためのDECOMPRESSION(減圧)は必要だけど、それでいいと思います。一年の間で何日かだけ、現実とはズレた、時間をはずした日が存在する。そしてそれは遠くじゃなく、自分のすぐ側にある。ものすごくお金がかかるわけでもなく、準備が大変なこともない。

そこへ身を置くことで日常を振り返ることができ、気づくことができる。

それは例えるなら、風に舞う桜の花に気づくようなことかもしれません。風や光、想いといった目に見えぬもの、しかし大切なものに気づくようなことかもしれません。

次もまた、穏やかな風の中で会いましょう。

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