432Hzのクリスタルボウルとは? 癒しの効果が強い?

クリスタルボウルの演奏を初めてみたい方に向けた「ファーストステップレッスン」にて、「432Hzのクリスタルボウルってどうなんですか?」というご質問をいただきました。

本日は「A=432Hz」という概念と、432Hzのクリスタルボウルは癒しの効果が強いのかについてブログを書いてみます。

432Hzのクリスタルボウルとは?

432Hzのクリスタルボウルとは「それぞれの音階を決める際の基準となる周波数を432Hzで設定したクリスタルボウル」です。

すべての音は「周波数」という絶対的な数値で表すことができます。水の量を「ml(ミリリットル)」で表すのと同じイメージですね。でも、楽器を演奏する際に周波数の数値で表現していたら面倒くさいです。

そこで、基準となるひとつの周波数を「ラ(A)」として、その周波数が2倍になったら「オクターブの高いラ(A)」と呼び、その間を12等分して「ラ・ラ#・シ・ド・ド#・レ・レ#・ミ・ファ・ファ#・ソ・ソ#」という12種類の呼び名「音階」を付けることにしました。水の量も絶対的な数値に呼び名を付けて180mlは「一合」、1800mlを「一升」と呼びやすくしたのと同じイメージです。

このとき、基準となる「ラ(A)」の周波数を「440Hz」にして音階を決めた楽器は「A=440Hz」と呼ばれ、基準となる「ラ(A)」の周波数を「432Hz」にして音階を決めた楽器は「A=432Hz」と呼ばれています。ほかにも「442H」や「444Hz」を基準にすることもあります。

一般的なクリスタルボウルは「A=440Hz」ですが、一部では「A=432Hz」を基準にして各音階を決めたクリスタルボウルも販売されています。これが「432Hzのクリスタルボウル」です。

クリスタルボウル サウンド・バスSHOPでも432Hz基準のクリスタルボウルを販売しています。

432Hzのクリアーライトボウル一覧

432Hzが特別視される理由

一部のスピリチュアルな世界では432Hzの音は「奇跡の周波数」のように呼ばれて特別視されています。

「432Hzは癒しの力が強い」というのは科学的根拠に基づくものではなく、主に感覚的・スピリチュアルな領域・マーケティングセールスからの主張です。「古代の音階は432Hzが基準だった」という仮説も一部にはありますが、古代の音源(録音したもの)が残っていないために事実は分かりません。

クリスタルボウル サウンド・バスSHOPでも432Hz基準のクリスタルボウルを販売していますので、432Hz基準のクリスタルボウル以外のボウルと聞き比べて、癒しのパワーを体感してみてください。もし、「432Hzの方が心地よいな」と感じたときは432Hzのクリスタルボウルを取り入れても面白いでしょうし、特にピンと来なければ432Hzにこだわらなくてもよいと思います。

個人的には「432Hzのクリスタルボウルは癒しの力が440Hzよりもすごい!」という体感はありません。432Hzであっても440Hzであっても、どちらも同じように心地よいです。ちなみに、私がふだん演奏しているボウルは432Hz基準ではなく、444Hz基準あたりの少し高い音のものが多いです。

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Magali

432Hzのクリスタルボウルは440Hzのクリスタルボウルより8Hz低い周波数を基準にして各音階を決めているため、全体的に少し低い音に聞こえます

世界の楽器は440Hz?

432Hzを特別視するあまりに「440Hzの音は人類を支配するために作られており、聞いていると悪い影響が出る」といった陰謀論めいた否定の表現まで使われることもありますが・・・世の中すべての楽器が440Hzを基準にしているわけではなく、どこを基準にするかはかなり緩いルールです(もちろん、440Hzが悪い影響を与えるという科学的な根拠はありません)。

声を出す瞑想

音の基準を何Hzにしていたのか?は楽器の種類・地域によって違っています。日本のオーケストラやピアノは一般的に「A=442Hz」を基準にしているものが多いですし、海外だと「A=444Hz」という場合もあります。さらに、私たちがもっとも身近に触れて影響を受けている音である「声」には何の基準もありません。440Hz基準の音に触れている時間というのは人生においてごくわずかです。

クリスタルボウルは440Hz?

一般的なクリスタルボウルは「A=440Hz」を基準にしています。特別な表記がなければ440Hzだと思って間違いありません。

ただし、クリスタルボウルには「ピッチのズレ」が存在するために440Hz基準ピッタリの音を鳴らしているボウルの方がレアな存在です。440Hz基準として販売されているクリスタルボウルであってもピッチのズレによっては実質432Hzになっていることもありますし、反対に432Hz基準のクリスタルボウルであってもピッチのズレによって実質440Hz基準になっているものもあるかもしれません。ピッチのズレを確認するのは非常に大切です。

432Hzを組み合わせるなら

繰り返しとなりますが、440Hzや432Hzというのは「各音階を決める際の基準の周波数」です。そのため、基準の周波数が違えば同じ音階でも音が違って聞こえます。

一般的なクリスタルボウル(440Hz基準)に432Hz基準のクリスタルボウルを合わせて使いたいなら、一般的なクリスタルボウルのピッチが「ー30」のものを選んでみましょう。ピッチがー30になれば432Hz基準のクリスタルボウルと同じ音になります。

基準よりも調和を大切に

音による癒し「サウンドヒーリング」にはさまざまな考え方があります。その中で、私が手がけている演奏スタイル「サウンド・バス」の基本的な考え方は「心地よい音の響きに包まれることで癒やしや気づきを導き出す」です。

心地よい音の響きを作るためには個々のボウルの音階やピッチだけではなく、複数を組み合わせたときの調和が何より大切です。何Hz基準のボウルを使っていても、音階の組み合わせがデタラメだったら気持ちの悪い不協和音を奏でてしまいますし、不協和音から癒しを導き出すのは非常に困難です。

複数のクリスタルボウルを使う「演奏」においては「432Hzだからよい・440Hzだから悪い」というような二次元的な考え方ではなく、より全体的な、多次元の意識で音を考えることが大切だと思います。「ヒーリング(HEALING)」の語源は「全体(WHOLE)」です。ひとつの側面だけ捉えるのではなく、全体を眺めてみましょう。

※ここでいう多次元の意識とは、音の調和や、それを活かす演奏技術、セットとセッティングの調整といった意味です

もし、自分で聞いて432Hzが心地よく聞こえたなら取り入れてもよいでしょうし、特にピンと来なければスルーしてもよいでしょう。クリスタルボウルの製造は偶然に委ねられている要素が大きいため、432Hzのボウルがいつ完成するかは分かりません。こだわりすぎるあまりに活動がスタートできなければ、大切なタイミングを逃してしまうかもしれません(かといって、焦りすぎも禁物ですが)。

自分が心地よいという感覚を共有し、調和を作り、共鳴・共振できることがクリスタルボウルの醍醐味です。

432Hz クリスタルボウルのまとめ

本ブログのまとめです。

  • 432Hzのクリスタルボウルとは各音階を決める基準の周波数が432Hzで設定したもの
  • 一部のスピリチュアルな世界では432Hzの音は癒しが強いという主張がある
  • 個人的には、クリスタルボウルはピッチのズレもあるし、個々の音階をどの周波数で決めたかよりも、全体の調和を大切にした方がよいと思う

・・・432Hzのクリスタルボウルについて少し否定的な内容になったかもしれませんが、432Hzにこだわって活動をされている奏者さんを否定するつもりはありません。基準の周波数が何であれ、体験して心地よいものが自分に合っているものだと思います。

2020年もよい音に巡り会えますように!

Magali Luhan

水晶から作られた楽器「クリスタルボウル」を使い、心地よい音色で心身に変化をもたらすサウンド・バス アーティスト。東京・浅草橋「studio PLAYA」運営、Crystal Sound Laboratory代表。

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