コロナ禍の影響もあって、クリスタルボウルの演奏をZOOMやYouTubeで配信したい・・・だけど、なかなか上手にできない!という質問をよくいただいていました。私もまだまだ勉強中でブログにするのが遅くなってしまいましたが・・・オススメのお手軽機材をご紹介します。
※私がiPhoneしか使っていないため、iPhone前提の内容です。Androidスマホの方ごめんなさい
はじめに
ややこしい話からスタートします。
2018年に発売されたiPhone XS以降のiPhoneであれば、純正のカメラアプリ(最初から入っているカメラアプリ)で撮影すれば、しっかりステレオで録音されて、実はそれほど音質は悪くありません。
試しに撮ってみました。2020年に発売されたiPhone SE(第2世代)です。
いかがでしょうか? そんなに悪くないですよね。
ただ、ややこしいことに、純正カメラアプリ以外のアプリ(ZOOMやinstagramのカメラ含む)や「ボイスメモ」だとモノラルで録音され、ボウルの音の拡がり感やダイナミックさが弱くなってしまいます。
というわけで、純正カメラアプリで撮影→動画データをYouTubeに公開、というのであればiPhoneだけでもそこそこ大丈夫かと思いますが、ZOOM配信やinstagramライブ、YouTubeライブをやりたい場合は「外付けマイク」を使用するのがオススメです。
なお、ZOOMは(大人数の会議用アプリということもあって)そもそも音楽向きではないため、いくら機材を揃えたとしても配信の音質を向上させるのは難しいです。そういった理由から、私はZOOM配信はやらずにYouTube配信にしています。
高音質な配信に必須なもの
クリスタルボウルの高音質な配信に必要なのは、まずマイク。マイクの機能だけを持ったものもありますが、録音機能を持った「ハンディレコーダー」がオススメです。
軽くて小さくて安い!すごく便利なハンディレコーダー ZOOM H1n。これを(ハンディレコーダーとしてではなく)iPhoneの外付けマイクとして使用することで、高音質な配信が可能になります。
※「ZOOM H1n」の「ZOOM」は日本の音楽機器メーカーの名前で、オンラインミーティングのZOOM社とは別の会社です
ZOOM H1nとiPhoneは直接ケーブルで接続することができないので、このようなアダプタを介して・・・
USBケーブルで接続します。
長いケーブルを用意すれば、iPhoneは遠くに置いてカメラで撮影し、マイクは近くに置いて・・・と、レイアウトの自由度が上がります。
さらに、iPhoneやZOOM H1nを適切な位置に固定するために三脚も用意したいです。
もっと安いのもあるけれど、SIRUIのテーブル三脚は安定感が大きいので私は2つ持っています。
以上、マイク(ハンディレコーダー)、iPhoneとつなげるためのアダプタ、ケーブル、三脚が最低限必要なものとなります。三脚を安いものにすれば、総額1万5000円くらいで収まるかと。
あるとよいもの
さらに、これらもあるといいよというのを紹介します。
スマホの内向きカメラ(自撮りカメラ)は、手に持ったときに顔がドアップに写るような設計のため、クリスタルボウルを並べた「全体像」を写すのは、ちょっと難しかったりします。そういうときは、カメラの前に「クリップ式レンズ」を付けることで、より広く(遠くから撮影したような感じに)できます。
アナログな道具ですが、意外と便利です。画質も気にならないレベル。
エアコンや換気の風の音(ノイズ)を低減してくれるモフモフのマイクカバーは、録音時にエアコンをOFFにできない環境のときは使いたいです。
先日、ネコカフェYouTube配信で使おうとしたら、やっぱりネコさんがじゃれてしまいました。そりゃ、気になるよね・・・。
ZOOM H1nをスマホに接続して使うときには不要なのですが、ZOOM H1nだけを単体で録音マイクとして使うときには、記憶用のメモリーカードが必要です。
デジカメと違って録音の音はデータ容量が少ないので、32GBもあれば十分だと思います。
セッティング方法
iPhoneにUSBカメラアダプタを付け、USBケーブルでZOOM H1nとつなげます。
iPhoneは適切に撮影できる場所に三脚で固定し、場合によってはクリップ式レンズを使用します。
ZOOM H1nも三脚に取り付け、クリスタルボウルよりも高い位置か、床面スレスレの低い位置かのどちらかに高さを調整します。
クリスタルボウルのエッジ(上部のフチ)と同じ高さにしてしまうと、叩いたときの「ガツン!」という打撃音が強く入ってしまうように思えるので、もっと高い位置か・低い位置がよいと思います。
そして、ZOOM H1nのマイク部分から約90度の延長の範囲内にすべてのボウルが収まるようにします。
ひとつのボウルだけに近い状態や、90度の範囲ではなく、ものすごく遠い(広い)位置にZOOM H1nを置いてしまうと、全体がキレイに録音されません。
クリスタルボウルを鳴らし、複数のボウルをこすったときにマイクの録音レベルメーターが「-12db」のあたりでとどまり、アクセント的に叩く演奏をしても「-6」を超えないあたりになるように、入力レベルのダイヤルを回して調整します。
以上でセッティングは完了です。配信や録音を行ってみましょう!
ややこしく思えるかもしれませんが、一度やって慣れると、次回からは手早くできるはず。
手順をまとめると・・・
- iPhoneとZOOM H1nを各アダプタ、ケーブルで接続
- ZOOM H1nを三脚に取り付け、ボウルとの高さを調整
- すべてのボウルがマイクの90度の範囲内に収まるように距離を調整
- 録音レベルを調整
- 配信・録音スタート!
と、なります。
素敵な音の世界を広げていきましょう。私も勉強を続けます!