クリスタルボウルと絶対音感について

新しいクリスタルボウルが完成しました。少しずつ「クリスタルボウル サウンド・バスSHOP」に掲載しています(試聴音源を作ったりサイズを計測したり、いろいろ手間がかかるので遅くてスミマセン)。

クリスタルボウルは「完成するまでどの音になるか分からない」という不思議な特性があるため、音階をチェックするときはいつもドキドキ楽しいです。そして、その特性ゆえに、すべてのクリスタルボウルには微妙な音程の違い「ピッチのズレ」が存在しています。

動画でも紹介しました。

たとえば、「D +25」というボウルであれば、厳密なDの音から、100分の25だけ(半音上の)D#に近い音となり、「D# -45」であれば、厳密なD#の音から、100分の45だけ(半音下の)Dに近い音となります。「D# -45」はDとD#のちょうど中間くらいの音ですね。

ピッチのズレがプラスマイナス10以内のボウルは「かなり厳密に音が合っている」ということで、「絶対音」とか「True Pitch」と呼ばれています。

さて・・・「どうせ買うならピッチのズレが少ない、絶対音ボウルの方がいいな」と思うこともあるかもですが・・・

クリスタルボウルで大切なのは「絶対的な数値」ではなく、「相対的な数値」です。本日はそんなお話をブログで紹介します。

絶対音感・相対音感という特性

幼少期からの音楽教育によって、いろいろな音をドレミの音階として判別できる「絶対音感」という感覚を身につけられることがあります。

一方、多くの人々は絶対的な音階ではなく、相対的に音を認識する「相対音感」という感覚を持っています。

突然ですが、こちらの楽曲。

日向坂46さんが「ドレミ ドレミ ドレミ」「ソーラーシードー」と歌って踊っているのですが・・・

これ、歌詞の「ドレミ」と実際の(歌声の)音程が違うんですよね・・・。歌詞で「ドレミ ドレミ ドレミ」になっているイントロ部分、歌声の音程は「ミ♭ファソ ミ♭ファソ ミ♭ファソ」なのです。「ラーメン ラーメン」と言いながらカレーを食べているような気分で、絶対音感を持っている人にはすごく違和感のある楽曲でした。

でも、相対的に音階を感じている方には違和感ないと思います(YouTube 2,500万回も再生されているし!)。それが、相対音感のよいところ。絶対的な音階として感じ取るのではなく、高低のバランスで音を感じ取ることができるのです。

また、カラオケで「この歌、音が高すぎるからキーを下げよう」と、リモコンで操作したことがある方も多いと思います。これも、(絶対的な音階ではなく)相対的に音階を判断できるからこそ(絶対音感があるとキーを上げ下げして歌うのがすごく難しいです)。

 

少し乱暴な言い方になりますが、ひとつめのクリスタルボウルはピッチの数値がどんなものでもよいと思います。プラスよりでもマイナスよりでも絶対音でも、なんでもいいです。大切なのは、ふたつめ・みっつめを探すときに、きちんと相対的にピッチがあっているボウルを選ぶこと(ピッチの数値が似ているのを選ぶこと)。

たとえば、ひとつめに「F +30」を買ったなら、次も同じようにプラスよりのボウルを選んだ方が響きは美しくなりやすいです(同様に、ひとつめが絶対音なら、ふたつめも絶対音の方がよいです)。

そうではなく、「いま持っているのは全部プラス寄りだけど、絶対音のボウルがいいらしいから、次は絶対音にしよう」という選び方だと、結果として相対的な数値のズレが大きくなるので、響きが濁ってしまうかもしれません。

「個」ではなく、「相」で考えてみましょう。

 

また、「ピッチがズレているボウルだと、絶対音感を持っている人には気持ち悪く聞こえるのでは?」という心配をされることもありますが、んーーーー。失礼な言葉になるかもだけど、これは「人による」です。

古今東西すべての音楽が絶対音(440Hz)で作られているわけではありません。「ドレミ ドレミ ドレミ」と言われながら「ミ♭ファソ ミ♭ファソ ミ♭ファソ」の音だったら違和感が大きいかもですが、そうでなければ「そういう音」として認識してもらえると思います(もちろん、違和感を感じる人もおられるかもですが・・・)。

 

間違いなく言えるのは、相対的な響きが美しくない「不協和音」は、誰が聞いても心地よくないということです。

「個」ではなく、「相」で考えてみましょう。

どうぞ、クリスタルボウル選びは慎重に・・・。迷ったときはお問い合わせくださいませ。

・・・ちなみに、私が使っているボウルは・・・

9インチ LOW-F +20
9インチ LOW-G +40
8インチ LOW-A +20
8.5インチ C +30
6.5インチ E +20
7インチ F +40
6インチ G +35
5.5インチ B +38
5.5インチ HIGH-C +16(528Hz)

というわけで、ひとつも絶対音はないのでした!ぜんぶプラス寄りですね。444Hz基準くらいな感じ。この中から組み合わせて演奏をしています。

PAGE TOP