クリスタルボウルを購入して、ある程度の技術も身につけたけれど、どうやって音を構成してよいか分からない・・・という人へのプチレッスン。
今日は長い音を出す方法の「こする」について。
クリスタルボウルの叩き方
こするときに大切なのは、以下の3点です。
- ボウルに対してマレットが垂直・やや斜めになっているか
- ボウルに当てる力の強さ
- 回転させるスピード
ボウルに対してマレットが斜めになりすぎていると、手首で回転させることになり、音が安定しません。手首ではなく、腕全体・肩を使って回すイメージです。
マレットをボウルに押し当てる強さで音の強さが変わります。大きな音を出したいときには強めに押し当て、小さな音を出したいときには弱く押し当てましょう。
回転させるスピードによって音の立ち上がりの速さが変わります。洗濯機のように高速に回転させるのではなく、時計の秒針と同じくらいのゆっくりとしたスピードから回転させて、感覚をつかんでみましょう。
音が出ないときには
こする奏法は上記の3つを意識しないと美しい音が出てきません。また、6インチや7インチといった小さなボウルの場合はボウルのフチを一周させただけでは音が立ち上がってこないことがあります。
手を止めることなく、ゆっくりと回転を続けましょう。
「音が出ないな」と思って回転させる手を止めると、そこで音も止まってしまいます。
音量には十分注意
こすり続けていると音量はどんどん大きくなります。少なくとも、奏者がうるさいと感じる以上の音量を出すべきではありません。目安として、ふつうの話し声が聞こえるくらいの音量です。それ以上の音量はどう考えても大きすぎます。
私たちが手がけるのはヒーリングの音楽です。赤ちゃんに話しかけるとき、大声だと泣いてしまいますよね。
マレットがハネないように注意
ボウルとマレットが正しく触れていないと、こすっている最中にボウルの表面でマレットが細かくハネて「ガガガッ」という音が鳴ってしまうことがあります。これは絶対にやるべきではないです。音として聞き苦しいし、ボウルへマレットを連打させていることになるので、ダメージを与えかねません。
昨日も書いたけど、クリスタルボウルの演奏をYouTubeで見ていると、これに気づかずに(?)演奏をしている人がいます(そして案外たくさんの動画を定期的に公開されていてビビります)。悪い見本として紹介したいけど、ご本人はそれで納得しているのだろうし、音の好みは人それぞれですね・・・。
弓引き奏法はオススメしません
マレットを真横にしてボウルの中程へ当てて、バイオリンを弾くように左右にこすって長い音を出す奏法もありますが、私はオススメしません(ものすごく例えが悪いけれど、男性の自慰行為を彷彿させる動きです)。
その理由は、いきなり音量が大きくなるからです。
ボウルの周囲を回転させる奏法であれば、徐々に音量が大きくなります。弓引き奏法はいきなり音量が大きくなり、だいたいうるさすぎます。
繰り返しますが、私たちが手がけるのはヒーリングの音楽です。
効果的なこすり方
クリスタルボウルは「余韻」の楽器です。余韻の中にこそ美しさがあります。
- ひとつのボウルをゆっくりとこすり始めます
- 長い音が立ち上がってきたら、回転の力とスピードを緩めて音量を一定に保ちます
- その状態で30秒程度こすりつづけます
- マレットをそっと離して残響を感じます
- ふたたびマレットをそっと当てて、鳴っていた音を止めることなく再びこすります(音が止まるときはマレットの当て方が悪いです)
- 何度か繰り返したら、そのボウルとハーモニーを作れるボウルを同じように鳴らし始めます
- ふたつのボウルの残響に耳を澄ませましょう
- 音に包まれてきたら手を止めて、余韻を味わいましょう
勝手にコラボして学んでみましょう
私がクリスタルボウルの演奏を始めたころ、世界中の宗教音楽・ヒーリング音楽・伝統音楽を聞きまくりました。
リズム感がつかめないうちは、自分が心地よいと思える音楽に合わせて演奏してみるのがオススメです。
たとえばこちらのYouTube。タンブーラの低くて長い音(ドローンサウンド)がずっとベースで鳴っています。それがあるからこそ、シタールやギターの高い音が印象的に響きます。ボウルも同じです。
中盤以降は音が盛り上がってくるけれど、前半のゆったりした感じはボウルともすごくよくマッチします。YouTubeを再生しながらボウルを鳴らして、勝手にコラボしてみましょう。
私たちが手がけるのはヒーリングの音楽です。このくらいのゆったり加減でも遅すぎることはありません。
※上記は薄くて軽いウルトラライトボウル/クリアーライトボウル、またはアルケミーボウルでのテクニックです。分厚くて重たく、残響が短いクラシックタイプでは使えません。
こんな感じのレクチャーと実技指導を「クリスタルボウル サウンド・バス スクール」として行っています。
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