ケイ素と人間の不思議なすれ違い その2 -人体の中にある水晶-

以前ブログで書いた「ケイ素と人間の不思議なすれ違い」が好評でしたので、ちょっと続きを書いてみます。

ケイ素と人間の不思議なすれ違い【クリスタルボウル化学ロマン】

前回のお話は「地殻の構成要素で考えたら、(クリスタルボウルの素材である)ケイ素(Si)の方が圧倒的に多いのに、人間(有機物)の身体は炭素(C)をメインに作られている」というものでした。もし、人間の身体が炭素(C)ではなくケイ素(Si)をメインに作られていたなら、酸素(O)を吸って二酸化炭素(CO2)を吐き出すように、酸素(O)を吸って水晶(SiO2)を吐き出していたかも!?というファンタジーでした。

これをもうちょっとだけ掘り下げて、人間の身体を構成する元素の割合をご紹介します。

まず、人間の身体は以下の6つの元素で全体の98.5%が構成されています。ほとんどすべてコレみたいな割合なので、「多量元素」と呼ばれています。

  • 酸素(O):65%
  • 炭素(C):18%
  • 水素(H):10%
  • 窒素(N):3%
  • カルシウム(Ca):1.5%
  • リン(P):1%

その次に多いのは「少量元素」と呼ばれる5つの元素。多いと言っても、全体の0.8%しかありません。カリウム(K)やナトリウム(Na)、マグネシウム(Mg)は金属元素ですね。

  • イオウ(S):0.25%
  • カリウム(K):0.2%
  • ナトリウム(Na):0.15%
  • 塩素(Cl):0.15%
  • マグネシウム(Mg):0.05%

「多量元素」と「少量元素」を会わせると、99.3%という割合になります。イオウが多いのは意外に思えるかもですが、アミノ酸として、タンパク質や酵素、皮膚や爪、毛髪にも含まれています。

クリスタルボウルのケイ素は・・・この次、「微量元素」という分類で登場します。

  • 鉄(Fe):0.0857%
  • フッ素(F):0.0429%
  • ケイ素(Si):0.0286%
  • 亜鉛(Zn):0.0286%
  • ストロンチウム(Sr):0.0046%
  • ルビジウム(Rb):0.0046%
  • 鉛(Pb):0.0017%
  • マンガン(Mn):0.0014%
  • 銅(Cu):0.0011%

鉄やフッ素よりも少なく、亜鉛と同等の 0.0286%という割合です。体重50kgの人が体内に持っているケイ素の量はわずか14.3g。小さな水晶ひとつほどもありません。地殻の量と比べると、本当に不思議なくらいに人体(有機物)にはケイ素がないのです。

さて、この元素の構成比率が海水の構成比率と似ていることが、「生命は海から産まれた」という説の裏付けのひとつとなっています。そう。生命は水(海)から産まれたのです。では、土から産まれたのは・・・水晶のような鉱物ですね(厳密な表現ではないので、ファンタジーとしてお読みください)。

 

水から産まれた私たちが

土から産まれた水晶を

火の力によってクリスタルボウルへ変え

風(空気の振動=音)を伝えていく・・・

 

水・土・火・風。

そのひとつでも存在しなければ、クリスタルボウル サウンド・バスの体験はありませんでした。水がなければ私たちはなく、土がなければ水晶はなく、火がなければクリスタルボウルはなく、風のない場所に音はありません(真空の宇宙は無音です)。

水・土・火・風。

その先にあるのは、まさに地球の未来の姿でしょう。願わくば、光あふれる世界であらんことを。

化学っておもしろい!

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