「クリスタルボウルを差し上げます」とか「クリスタルボウルを譲ります」というような名目で、メルカリやヤフオクでクリスタルボウルが販売されていることがあります。
本日は、そういった個人売買サービスを通じてクリスタルボウルを購入する際に注意したいことを紹介します。
クリスタルボウルの価格と品質はピンキリです
一概に「クリスタルボウル」と言っても大きく分けて3つの種類があり、世界中にメーカー(ブランド)があり、価格と品質は本当にピンキリです。
たとえば、ノーブランドのフロストボウルであれば大きなものでも1万円以下で購入できるけど、クリスタルトーンズ社のアルケミーボウルは小さいものでも10万円以上します。いずれも「クリスタルボウル」の名前で販売されているものです。
まず、出品されているボウルの種類から見極めましょう。
クリスタルボウルの種類を見極めよう
クリスタルボウルは大きく3つの種類(世代)があり、サイズや重さ、音色や値段が大きく違います。それぞれの特徴を大切にして好みのボウルを選んでみましょう。
ボウルの種類については書籍でも詳しく紹介をしています。
フロストボウル
多くは乳白色をしていて、表面は梨地のようにザラザラとしています。厚みは5mm以上、サイズは7インチから24インチくらいまで幅広くあります。14インチ以上の大きく重たいボウルは大音量が出せるので、迫力のある演奏ができます。反対に、8インチ以下だと残響音(音の伸び)が短くて演奏がしづらいです。また、大きく重たいので持ち運びには不向きです。
フロストボウルは価格の安さが特徴で、ひとつ1万円程度、7つセットで6万円以下というものもあります。
丸い頭の「ゴムマレット」が付属していたり、大きくて乳白色であればフロストボウルだと思われます(一部、塗料を加えた色つきのフロストボウルもあります)。
- 大人数向けに大音量の演奏をしたい
- 持ち運びせずに据え置きで使いたい
- とにかく安いのがよい
という方に向いているボウルです。
クリアーライトボウル
完全な透明をしていて、表面もツルンとしています。厚みは3mm程度、サイズは6インチから10インチくらいです。薄くて軽いため、持ち運びがしやすく、やさしい演奏で長い響きを作り出せます。私も使用しています。
価格はひとつ5万円から10万円くらいです。
- やさしい演奏をしたい
- 持ち運んで演奏をしたい
- アルケミーボウルは高くて大変
という方によいと思います。
アルケミーボウル
水晶だけで作られたクリアーライトボウルをベースに、さまざまなパワーストーンをミックスしたカラフルなボウル。厚みや重量はクリアーライトボウルと同等です。日本で流通しているのはアメリカ・クリスタルトーンズ社の製品が多いですが、他メーカーも似たようなボウルを製造しています。
価格はひとつ10万円から60万円くらいまで幅広くあります。
- やさしい演奏をしたい
- 持ち運んで演奏をしたい
- パワーストーンが好き
という方によいと思います。
クリスタルボウルのメーカーを見極めよう
クリスタルボウルにはいくつかのブランド・メーカーがあります。どのブランドがよい・悪いというのは(私もすべてのブランドを比較したことはないので)断定できませんが、「そのブランドのボウルを使って活動している奏者はいるの?」というのをひとつの判断基準にしてみましょう。
たとえば、YouTubeやSNSでお気に入りの演奏があれば、その奏者がどこのボウルを使っているのか確認してみる…というものです。
使っている人の演奏を聴いたことのないまま購入するのはリスクを伴います。
クリスタルトーンズ(アメリカ)
世界最大のクリスタルボウル・メーカー。現在は主にアルケミーボウルを製造。
フロストボウルはボウルの内側にサイズ・音階・チャクラの名前・星座の名前の書かれた丸いシールが貼ってあります。
アルケミーボウルは音階・ピッチや固有のID番号が書かれた長方形の白いシールが内側に、ホログラムのブランドシールが外側に貼ってあります。
スウェードマレットには「Crystal Tones」という刻印が入れられています。
クリスタルトーンズのボウルが欲しいときは、シールの有無を必ず確認しましょう。
カリスキ(アメリカ)
生産・流通数は多くないけれど、品質の高さでマニアには知られたメーカーです。フロストボウル、クリアーライトボウルを製造しています。
マレットが細身の棒状で片方に色が付いていたり、ボウルの内側底面にチャクラカラーの四角い紙が貼り付けられているのが特徴です。
チャクラカラーの四角い紙は演奏するときにジャマになることもあるため、剥がしている人も多いかもしれません。フロストボウルの場合は白い紙が貼り付けてあります。
音階は書いてあるけどピッチの数値は書かれていないため、ピッチを知りたいときはチューナーで計測する必要があります。
クリスタルバイブス(アメリカ)
白色で大きなフロストボウル、透明なクリアーライトボウル、白色で軽いウルトラライトボウル(フェザーライトボウル)、カラフルなアルケミーボウル(ジェムフュージョンボウル)など、さまざまなボウルを製造しています。
フロストボウルは内側に音階だけが書かれた丸いシールが貼ってあります。クリアーライトボウル、ウルトラライトボウル(フェザーライトボウル)は刻印やシールが一切ないために見分けがしづらいです。ピッチを知りたいときはチューナーで計測する必要があります。
サウンドギャラクシー(ドイツ)
サウンドギャラクシー社は自社ボウルを第一世代・第二世代と分けています。
第一世代のものはスワロフスキー・クリスタルを用いたグラマラスにカラフルなボウルで、側面にはスワロフスキーのキラリとした小さな石が取り付けられています。
第二世代は白い曇りガラスに幾何学模様が書かれたようなデザインとなっています。
音階やピッチの書かれたシールは貼られていません。
クリスタルサウンドラボラトリー(日本)
透明なクリアーライトボウルを製造しています。「クリスタルボウル サウンド・バスSHOP」で販売されています。
ボウルの内側にサイズ・音階・ピッチの書かれた白いシールが貼ってあります。私はCrystal Sound Laboratoryのボウルをたくさん使用しています。
CVNC(中国)
フロストボウルとアルケミーボウルを製造しています。メルカリやヤフオクでセット販売されているフロストボウルはCVNC社のものが多いようです。
ブランド名の入ったシール等は貼られておらず、ピッチの数値は見た目だけだと分かりません。
出品内容を見極めよう
メルカリやヤフオクは「インターネットを通じた個人売買」が基本です。実際にボウルを手に取って見ることもできないし、音を聴くこともできません。悪い商売をしようと思えばできてしまうため、リスクを伴います。
たとえば、激安のボウルを「定価は50万円でした」と言ってみたり、クリスタルトーンズ社のマレットだけを別メーカーのボウルと組み合わせて「クリスタルトーンズ社のボウルセットです」と言うこともできます。
その商品が本当に自分の期待に応えられるものかどうか、しっかりと見極めましょう。
見極めるために・・・
- メーカーやブランドはどこ? 証明できるシールや資料はある?
- いつ、いくらで購入されたもの? レシートや領収書はある?
- キズやカケ、汚れはない?
という点は確認したいです。
また、クリスタルボウルは音階・ピッチの組み合わせがとても大切です。サイズが2cm程度違うボウル同士であればお茶碗を重ねるように重ねて収納・運搬ができます。
- ボウルの音階、ピッチのズレはいくつ?
- ボウルのサイズは何cm?(何インチ?)
というのも確認しましょう。
ピッチのズレについてはこちらのYouTubeも参考にしてください。
実際に詐欺まがいのことも起きています
メルカリで「クリスタルトーンズ社のボウルです」というフレコミで他社のボウルが販売されていた事例は何度も目にしたことがあります。中には「クリスタルボウルのスクールをやっている正規代理店の先生から購入したものです」というのもありました。
誰が悪いかは簡単には決められません。
最初の販売者がウソをついていたのかもしれませんし、メルカリの出品者がウソをついているのかもしれません。ひょっとしたら誰も悪気なく、単純に間違えたり勘違いをしているだけかもしれません。
さすがに「クリスタルボウルのスクールをやっている正規代理店の先生」はしっかりして欲しいと願いますが・・・クリスタルボウルは一生のうちに何個も買うものではありません。しっかり知識を身につけて素晴らしいボウルと出会えますように!