いくらやっても音の出ない「チャイムボウル」について

クリスタルボウルの製造には偶然の要素が非常に多く作用します。

この世に存在するすべてのボウルは、奇跡的な偶然によって完成したと言っても過言ではありません。

そして、いくらやっても音の出ないクリスタルボウルが完成することもあります。

一部では「チャイムボウル」と呼ばれる、不思議なボウルをご紹介します。

チャイムボウル試奏

YouTubeで公開していますので、まずはこちらをご覧ください・・・

比較用にふたつのボウルを鳴らしています。向かって左側がAのチャイムボウル(鳴らないボウル)、右側がEのふつうのボウルです。

Aのボウルも、叩いたときには「こひーん」という感じで音を響かせています。「こーん」というアタックの分かりやすい音ではなく、「こひーん」という感じに広がる音の響き方です。

しかし・・・Aのボウルは、どれだけこすっても音が鳴らないのです。決して手抜きをしているわけではないし、本気で鳴らそうとしていますが、いくらやっても音が出てこないのです。

小型のクラシックフロステッドボウルのような、なかなか音の鳴りにくいボウルを演奏するときには「叩いてから→こする」という奏法がよく使われています。それと同じように「叩いてから→こする」をやっても、こすった瞬間に音が止まってしまいます。

不思議・・・。

以上のように、クリスタルボウルは見た目は同じでも、音の響きは大きく異なっています。叩いたときは鳴るけど、こすったときは鳴らないという不思議なボウルもあります。

いま、アマゾンや楽天、メルカリなどで格安のクリスタルボウルが販売されていますが・・・

試奏の音も聞かずに値段だけでボウルを選ぶのは、残念な結果を招いてしまうかもしれません。

前にもブログで書きましたが、アマゾンで1万円で売っている格安ボウルを購入して→メルカリへ「プロの奏者の方から10万で買いました!アメリカ製とのことです!」と偽っても、画像だけではなかなか真偽は判断しづらいです。「音が鳴らない!」というクレームをつけたくても、「私は奏者じゃないし、あなたの技術の問題では?」と片付けられてしまうかもしれません。

クリスタルボウルは一生のうちでいくつも買わない、大切な存在です。

素敵なボウルと出会えますように!

※このチャイムボウルは研究用として友人の奏者の元へ旅立っていく予定です

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