「円環チューニングとクリスタルボウル」で使用した、フルハーモニーセットについて

5月25日(土)、IYC表参道スタジオにて「円環チューニングとクリスタルボウル」というイベントを開催しました。ご来場いただきました皆様、コラボいただいた円環チューニングの柳木さん、IYCの皆様、ありがとうございました。これ、かなり面白いチャレンジだったので、さらなるネクストレベルの丘に向かって修行を続けたいと思います。

演奏の様子を少しだけYouTubeに公開しました。実際は60分以上やっていた中の15分くらいです。

今回は「フルハーモニーセット」のボウルを使用しました。

クリスタルボウルのフルハーモニーセットについて

クリスタルボウルは「ひとつにつきひとつの音階(ドレミファソラシ)」があります。ドレミファソラシの7つの音階をすべて揃えた組み合わせは「フルセット」と呼ばれ、幅広い音色で幅広い演奏ができることから人気となっています。

その一方、フルセットは同時に鳴らすボウルを間違えると不協和音になる恐れがありました。たとえば、B(シ)とC(ド)、E(ミ)とF(ファ)といったボウル同士だと、誰がどう演奏しても不協和音として聞こえてしまいます(もし不協和音にならないなら、それぞれのピッチがズレすぎています)。

そのため、奏者は「えーと、これとこれは不協和音になるので・・・」といったことを考えながら演奏する必要があり、7つのボウルを持っていても全部を同時に鳴らせるわけではありませんでした(鳴らしてもいいけど、不協和音になります)。同時に鳴らせるのは、最大でも3つか4つでしょう。

ドレミファソラシの7つの音階にこだわらず、オクターブ違いの音階などを取り入れることで、「どう鳴らしても不協和音にならない」ことに重点を置いたセットが「フルハーモニーセット」です。

今回の演奏で使用していたフルハーモニーセットのボウルのサイズと音階は以下のとおり。全部を重ねてケースひとつに入れられます。

  • 9インチ LOW-F +20
  • 8.5インチ C +30
  • 8インチ LOW-A +20
  • 7インチ F+40
  • 6インチ G +35

音階としてはF(ファ)がオクターブ違いでふたつ、C(ド)とA(ラ)とG(ソ)だけ。フルセットに比べると、D(レ)とE(ミ)とB(シ)という3つの音が足りません。

音階の数が少ないため、どうしても似通った音の演奏になってしまいますが、ボウルを叩く順番やリズム感を変えたり、ふたつを同時に叩いて和音を作ったりすることでバリエーションを出しています。すべてのボウルを同時に鳴らしても大丈夫なので、かなり重厚な音の世界を作ることができました。

さまざまな場面で演奏したい!というのであればフルセットが適していますが、目的がある程度限定されているなら、フルハーモニーセットもオススメです。

私もフルハーモニーセットが欲しいです!とか、私の持っているボウルに何を足せばそうなりますか?とかのご相談はFacebookのメッセージかメールでお問い合わせくださいませ。基本的にはピッチの相対的な数値を意識しつつ、オクターブ違いのボウルを追加すれば大丈夫です。

音の世界を楽しんでいきましょう!

追伸・フルセットを否定するわけじゃないですよ

フルハーモニーセットはもちろんフルセットを否定するものではありません。フルセットの方が優れている点は多いです。

ただ、私もいろいろなところで演奏を続ける中、「あなた(私)はたくさんのボウルがあるからねぇ」というような声を聞くと、ちょっと申し訳なかったんですよね。「あなたは男性だからたくさん持ち運べる」、「あなたはフルセットを持っているから上手に演奏できる」みたいな声です。

私はなるべくクリスタルボウル演奏の敷居を下げ、体験の機会を増やしたいと考えています。

なので、フルセットにこだわらず、少ない数のボウルでしっかり演奏できますよ!というのも大切に伝えていきたいのです。

PAGE TOP