「クリスタルボウル サウンド・バス スクール」の受講者さんから、「クリスタルボウル奏者の心構えを教えて欲しい」と言われることがあります。
簡潔にまとめるなら、「過信しないこと、寄り添うこと」だと私は考えています。今日はそんな話をブログでご紹介します。
過信しないこと、寄り添うこと
まず大切なのは「過信しないこと」。
これは、自分の技術や知識についてのことでもあり、クリスタルボウルやサウンド・バス(サウンド・ヒーリング)の効果についてのことでもあります。
クリスタルボウルを使ったサウンドヒーリングが体系立てられたのは1989年のこと。まだまだ歴史は始まったばかりです。いまは、たくさんの奏者がそれぞれの理想に向かって切磋琢磨している時代です。私自身、5年前の演奏といまの演奏はまるで違いますし、多くの奏者さんもそうだと思います。
自分の技術や知識を過信してしまうと、エゴにつながります。いつまでも修行中の意識であることを大切にしましょう。
そして、クリスタルボウルやサウンド・バス(サウンド・ヒーリング)はすべてを癒してくれる万能なものではなく、使い方(鳴らし方)によっては聴者の心身へダメージを与える恐れがあるということも、しっかり肝に銘じておきましょう。
「寄り添うこと」とは、演奏中は常に意識を「聴者の側」に置いておくことです。具体的には、聴者の様子を目視で確認しながら、演奏を組み立てていきます。
「あの人はこの音は好きかな?」
「そろそろ演奏を強めても大丈夫かな?」
そんなことを考えながら演奏をすることが大切です。
誰でも最初は緊張しながら演奏をしていると思います。でも、ある程度慣れてきたとき、うっかりすると「奏者の意識が音に飲み込まれてしまう」ことがあります。何も考えることなく、ただ音と一体になって無我夢中で演奏している状態です。
この状態を「宇宙と一体になって」とか「エネルギーの流れで」とか「感じるままに」と表現すれば、ちょっとそれっぽくも聞こえてしまいますが、誰かに届けるサウンドヒーリングにおいては非常に危険な状態です。奏者の究極の状態が聴者の理想の状態であるとは限りません。
・・・ものすごく気まずい例えですが、ふたりで行う性行為と似ています。誰でも最初は緊張しながら、どこかで手に入れた知識を使ってコトを進めていると思います。でも、ある程度それに慣れてきたとき、うっかり無我夢中になってしまうと、パートナーをケアすることを忘れてしまう恐れがあります。身勝手な欲望をぶつけられたり、自慰行為を見せつけられても、心地よくはならないですよね。
誰かに届けるのであれば、常に相手に寄り添うことが大切です。
私自身は決して清廉潔白な人間ではありません。蚊も叩き潰すし、ラーメンもズルズル食べます。でも、クリスタルボウルの演奏においては「過信しないこと、寄り添うこと」を常に意識しています。
皆さん一緒に、この新しい世界を拡げて行けたらよいなと思います。