クリスタルボウルの基本的な演奏方法「ボウルの上部のフチをこする」とき、右回り(時計回り)がよいのか、左回り(反時計回り)がよいのか、左右の手は同じ方向に回すのがいいのか、逆回しがよいのか、何回くらい回せばよいのかについての紹介です。
クリスタルボウルを回す方向は両手とも同じく時計回り
右利きの私は「回す方向は両手とも同じく時計回り」にしています。回す回数に制限はありません。レッスンでもその方法でお伝えしています。
以下、その理由です。
マレットの衝突を防ぐため
左右の手が別々の方向に回転していると、近い距離のボウルをふたつ同時に鳴らしていたときにそれぞれの手(マレット)が正面衝突しかねません。同じ方向へ回していれば「追いかけっこ」のように動かせるのでその危険性を防げます。
ライブで行うクリスタルボウルの演奏において、誰かの精神に深くアプローチする行為において、わずかなリスクでも遠ざけておくのはとても大切です。
微妙な力加減をコントロールするため
こする演奏ではボウルにマレットを当てる力の加減や角度、回転させるスピードによって、細かく音をコントロールしています。上手にコントロールしていれば、どれだけ長い時間こすっていても、イヤな響き方にはなりません。
左右の手が別々だと微妙な力加減がものすごく難しくなってしまい、乱雑な音の響きにつながってしまいます。
波動の方向性を揃えるため
こする演奏はマレットがボウルに当たっている位置を中心にして、ぐるぐると円のように音が発生しています。マジックで紙に渦巻き模様を描いているイメージですね。
同じ方向に回していれば、音の渦も仲良く同じ方向へ回っていきます。逆方向に回していると、渦巻き模様が重なることなく打ち消し会ってしまうため、音の響き方に影響を与えかねません。
「コマ回し」を思い出してみましょう。すべてのコマを同じ方向に回転させていればコマ同士がぶつかったときでも止まることなく、むしろスピードアップするけれど、逆方向に回っているコマがあればぶつかったときにはじけ飛んでしまうはずです。
美しい音の調和のためには動きを揃えておくことが大切です。
回転させる回数について
クリスタルボウルをこする奏法ではボウルにマレットを押し当てる力の強さと回転させる速度によって音量が変わります。
強い力で素早く回すと音はとても大きくなり、大きくなりすぎるとボウルを破損させる危険性があります。
やさしい力でゆっくり回していれば、心地よい響きを無限に続けることができます。
回転させる回数に制限はありません。音量を自分の耳で聞き取りながら、心地よさが拡がるまで回転を続けてみましょう。
エネルギー的なことを言われたときは…
クリスタルボウルのレッスンでこのような質問をいただきました。
「以前に習ったところだと、右回りは○○のエネルギーで左周りは○○のエネルギーになると言われたのですが本当でしょうか…?」
ほかの奏者さん・ほかのレッスンを否定する気持ちはありませんが、疑問を持ったままだと練習に取り組みづらくなるし、自信を持って演奏しづらくなりますよね。
もし、レッスンで「本当かな…?」という部分が出てきたときは確認をしてみるのが一番よいです。そのレッスンを実施されている方に「じゃ、いまから右回りと左回りのどちらかでボウルを鳴らすので、目をつぶってどちらなのかを当ててみてください」とお願いしてみましょう。10回やって10回とも正解なら信じてもよいと思います。
私個人としては、回す方向で「エネルギーの内容」が変わることはありえないと考えています。回す方向で「エネルギーの出方」、言い換えれば「音の出方・響き方」は変わります。回しにくい方向だと音も響かせづらいですよね。
奏者さんが素直な気持ち、素直な動きで出せる素直な音。それが一番よいのではないでしょうか。
音の世界を楽しんでいきましょう。