クリスタルボウル サウンド・バスのレッスン受講生さんから「音階に # が付いている音って何か役割や効果が違うんですか?」という質問をいただきました。
一瞬、質問の意図に混乱しましたが…たしかに「ドレミファソラシ」というシンプルな呼び方の音階に比べて、「ド#」とか「レ#」という呼び方はちょっと特別に思えますよね。心身に与える効果も違って想像できるかもしれません。
でも、結論から言えば「#」の音だから特別な役割(心身に与える特別な影響)を持っているわけではありません。そもそも「#」ってどうして作られたのでしょう?
まず、音とは波であり、すべての音は「周波数」という絶対的な数値で表すことができます。
でも、周波数の呼び方では誰かと楽器を演奏するときに分かりづらいので「音階」という呼び名を付けることにしました。
ひとつの周波数を基準にして・その2倍の周波数までの間を12等分することで12個の音階が規定されました。
さらに、すべての音階が似たような呼び名だと楽器を演奏しづらいので「#」という存在が作られました ←コレダ!
たとえば、ピアノの鍵盤はふつうのドレミファソラシは白い鍵盤、#の音は黒い鍵盤として白い鍵盤の少し右上にあります。
もしこれがすべて白い鍵盤で横一列に並んでいたら、どれがどの音階か分からなくて演奏しづらいですよね。黒い鍵盤が2つ・3つと挟まることによって音階が分かりやすくなっています。
つまり、「#」の役割は「楽器を演奏しやすくするための区切り」です。計量カップで200mlとか400mlとかの線が太く書かれているのと同じです。
もちろん、「そんなことはない!この音はこういう役割がある!」と主張するのは自由です(薬機法とか消費者保護法とかに触れなければ)。私もその可能性を否定するつもりはありません。
大切なのは「演奏する奏者自身がそこに思いを乗せられるか」と「聴いている方に共感してもらえるか」です。
私が行っている「サウンド・バス」では、ゆったりとした深い音を聴けばリラックスでき(フルボディ・リスニング)、繊細な音と静寂があれば感覚は拡がっていく(ディープ・リスニング)…という考え方を取り入れています。
また、ごいーんという低い音は意識を下げ、キラーンという高い音は意識を上げ、こーんという低くも・高くもない音は意識を自分に向かわせるとしています。
これって実感しやすいですよね。だからこそ、奏者は安心して・自信を持って演奏できます。
※「クリスタルボウルの演奏=すべてサウンド・バス」ではありません。いろいろな考え方がある中で、フルボディ・リスニングとディープ・リスニングを大切にしているのがサウンド・バスです
「どういう役割があるんですか?」という疑問が出ているのは「共感できていない」から確認したいのだと思います。「言われなくても分かる」という状態だったら誰かに質問はしないはず。
エゴの押しつけになることなく、丁寧に思いを乗せながら、共感の輪を拡げてみましょう。その意識が共和したとき、きっと美しい体験が生まれます。


