完璧な暗やみがもたらすもの

完璧な暗やみ空間で行うクリスタルボウルの演奏、「暗やみの音」まであと1ヶ月となりました。この体験は、本当にすごいです。

キッカケは、バリのガムラン演奏を完璧な暗やみで聴く「ムルヨララス」を再現したイベントでした。まず、完璧な暗やみになった瞬間に、自分の感覚が「パキッ」と変わりました。そう、「薄暗い」と「完璧な暗やみ」はまったく違います。

こんな空間でクリスタルボウルを演奏してみたい・・・。アグレッシブに行動して、企画を実現できることになりました。

ボウルを聞くときは目をつぶっているし、薄暗い中でも一緒じゃない?と思ってしまうかもだけど、完璧な暗やみがもたらす意識の変容はすごいものがあります。目を開けてても、閉じててもまったく同じ。どれだけ時間がたっても見えてこない。さっきまで横にいた人たち、目の前にあったボウル。

一切、なにも見えなくなります。

刹那に、目を失った脳は新しい感覚を大急ぎで作り出そうとします。皮膚の感覚、嗅覚、そしてもちろん、聴覚。

私自身も、まったく見えてない状態の中、ものすごい集中力で演奏をしています。

クリスタルボウルはピアノのように鍵盤が並んでいるわけでもなければ、ギターのように手で持てるわけでもありません。距離感を計りつつ、その場に意識を集中させています。こすったり叩いたりする力加減をうっかり誤れば、ものすごく痛い音が出たり、ボウルがゴロゴロと転がってしまうかもしれません。音が出ている「根っこ」の部分を探りながら、ボウルが出す、ほんのわずかな波動を感じ取りながら、完璧な暗やみで演奏をしています。

※ぜひ、いろんなクリスタルボウル奏者にも体験して欲しいです。

すさまじい集中力を使うため、あんまり毎月はできない(やりたくない)ため、暗やみの音は四季ごとに開催しています。4月19日は春バージョン。さまざまなことが始まる季節の春、暗やみの中でこそ見えてくるもの、聞こえてくる音を、どうぞお楽しみに。

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