8年目の311

8年前のあの日、私はくやしくてたまらなかった。

スピリチュアルなパワーが存在するというのなら、なぜ災害を止められなかったのか。

人は運命を背負って生まれてくるというのなら、彼・彼女らにどんなカルマがあったというのか。

なにも写っていない渋谷の街頭ビジョンはモノリスのようで、すべてが戯れ言に思えてきた。

無力感の一方で、妙な -不謹慎な言い方をすれば心地よい- 一体感も感じていた。

多くの人が助け合おうとしていた。何かできることはないかと立ち上がろうとしていた。

「ウチの事務所に泊まることできるよ」「車があるから迎えに行くよ」「ひとりだと怖いし、ちょっと集まろうか」

そして、何かできることはないかと被災地へ足を運び、さらに大きな無力感と、さらに大きな -不謹慎な言い方をすれば心地よい- 一体感を感じることになった。

あれから8年。

私は少しでも強くなれただろうか。私たちの中にあった一体感の灯火は消えていないだろうか。

ん、たぶん、あんまり強くなれてはいないかな。じゃ、もっと一体感、そう、みんなで、未来は、どう? あなたは。

※画像は震災から4日後の3月15日、渋谷駅前にて撮影

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