「与える」ではなく「導き出す」ための演奏を行う理由

クリスタルボウルの演奏は、奏者さんごとにさまざまなコンセプトで行われています。

とある奏者さんは「チャクラを整える!」というコンセプトに基づいてたり、また別の奏者さんは「宇宙のエネルギーを降ろす!」というコンセプトだったり、それぞれの理想を求めて切磋琢磨しているのが、いまの時代です。いろいろな演奏に触れて、好みのものを見つけられたらよいなと思います。

私は、奏者やクリスタルボウルの特別なパワーを皆さんへ「与える」というものではなく、やわらかな音に包まれることで、皆さんの中からポジティブな効果を「導き出す」というコンセプトに基づいて、「サウンド・バス」というスタイルで演奏を行っています。

今日はそんなお話を、「クリスタルボウル サウンド・バス レッスン」の新テキストからの引用の形でブログに書いてみます。

「導き出す」というのは、すごく回りくどいものです。ひょっとしたら、聴者(ボウルの演奏を聞きに来ていただいた人たち)はそんな回りくどいものではなく、「金運が上がる!」とか「素敵な出会い!」のような、実利を求めているかもしれません。「面倒くさいことはいいから、私に何か与えてよ!」と願っているかもしれません。

でも、その関係性だと、奏者は与え続けなくてはならず、聴者はもらい続けないとなりません。依存の関係になってしまいます。

※もっとも、わざと依存関係にさせてお金をもらい続けるという手法もありますが、私はそれを好ましいとは思いません

 

私たちは、よりホリスティック(全体的)な視点に立ち、ひとりずつか自分の中にある心地よさに気づいて、目覚めていくことを願っています。金運とか出会いとかは副次的な効果として、その後に出てくる(かもしれない)もので、直接の目的にはしていません。

導き出すための演奏であれば、奏者と聴者という関係性であっても、「あの人はこの音が好きみたい」とか、「この奏法はみんなの意識が深まる」といったように、奏者は聴者からたくさんのことを学べます。

聴者も奏者に依存することなく、いずれクリスタルボウルの音なしでも同じ感覚に入っていけるようになるはずです。瞑想もお料理も、最初はガイドに教えてもらいながらだけど、そのうちひとりでできるようになるのと同じです。

 

クリスタルボウルの体験というのは圧倒的なものなので、うっかりすると、自分は世界を救うスーパーヒーラーではないかというような勘違いをしてしまうことがあります。神の力を手に入れた!と思うかもしれません。

謙虚さを忘れてしまうと、聴者に寄り添うことも、技術を磨くこともできなくなります。クリスタルボウルやサウンド・バスの歴史は始まったばかり。いまの状態をゴールだと思わず、常に初心で、たくさんの人・物事から学ぶ姿勢を忘れないようにしたいです。

 

与えるのではなく導き出すというのは難しく思えるかもしれませんが、実はそれほど大変なことではありません。私たちは日常生活において、同じようなことを自然と心がけています。

たとえば、今日の晩御飯はトンカツ定食だったとしましょう。

どのくらいの量だったらおいしく食べてもらえるのか、トンカツとキャベツのバランスは適当か、素材のよさを消してしまうような味付けになっていないか、ちゃんと相手は空腹で、食卓は清潔に保たれているか・・・

そういうことに気を遣えば、自然と「おいしい」という気持ちが導き出されてくるはずですよね。

「これ絶対においしいから食べて!」と、宇宙のインスピレーションから生まれた料理を出すのではなく、どのようなものを・どのような方法で提供すれば喜んでもらえるかを考えること。クリスタルボウルの演奏も同じです。

あなたが心を込めて作り上げた音の世界で、誰かが心地よい体験をするというのは、とても素敵なことだと思います。

 

そのための演奏方法などは・・・「クリスタルボウル サウンド・バス レッスン」でしっかりお伝えしていきます! 私のYouTubeも参考にしていただけると光栄です!

Magali Luhan

水晶から作られた楽器「クリスタルボウル」を使い、心地よい音色で心身に変化をもたらすサウンド・バス アーティスト。東京・浅草橋「studio PLAYA」運営、Crystal Sound Laboratory代表。

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