クリスタルボウルと金属製シンギングボウルの違い

「クリスタルボウルと(金属製の)シンギングボウルってどこが違うんですか? 私にはどちらがよいと思いますか?」というご質問をいただくことがあります。さまざまな点に違いがあるのでブログで紹介します。

クリスタルボウルとシンギングボウルの違いについて

クリスタルボウルは皆様おなじみの水晶から作られた楽器ですね。

シンギングボウルは鉄やスズなど、7種類や9種類とも言われる金属から作られた金属製の楽器です。チベットで使われていたとされるため、「チベタンボウル」や「チベタンシンギングボウル」とも呼ばれています。

まず、クリスタルボウルとシンギングボウルの「モノとしての違い」をご紹介します。

クリスタルボウルとシンギングボウルの素材の違い

クリスタルボウルは水晶という「石」から作られ、シンギングボウルは鉄やスズなどの「金属」から作られています。

では、ここでいきなりクイズです。

クリスタルボウルとシンギングボウル、それぞれに強い力を加えるとどうなるでしょう?

・・・答えは「クリスタルボウルはパリンと割れる。シンギングボウルはグニャっとゆがむ」です。ちょっと難しい表現をすると「結合の違い」によって、割れるか、ゆがむかが決まります。

同様に、人間の体に強い力を加えたときは「割れる」方ですよね(交通事故で骨折はしても、骨が斜めにゆがみましたという人はいないはず)。また、元素記号の周期表で見ても、人間の体を構成する大部分の「炭素(C)」のすぐ下にあるのは「水晶のケイ素(Si)」であり、似た存在であることが分かります。

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このようなことから、個人的な考えとして「人間の体」により近い存在は水晶から作られたクリスタルボウルだと思います。

※ただし、「人間の体に含まれている量」となると、ケイ素(Si)より鉄分(Fe)の方が何倍も多いです。鉄分は大切ですよね

クリスタルボウルとシンギングボウルの製造方法の違い

クリスタルボウルは水晶を約2,000度の高温で溶かして固める「鋳造(ちゅうぞう)」によって作られています。

そのため、製氷機で作った氷のように表面はツルリと滑らかです(アルケミーボウルの一部は製造後に表面をコーティングしてデコボコにしたものもあります)。お椀(ボウル)型をしていますが、高さがしっかりあるものが多いです。

シンギングボウルは(クリスタルボウルと同様に)金属を溶かして固める鋳造と、金属の板をトンカチで叩いて成形する「鍛造(たんぞう)」の2つの作り方があります。お椀(ボウル)型をしていますが、高さはクリスタルボウルよりも低く、洗面器のような形状をしています。

鋳造されたシンギングボウルはクリスタルボウルと同じく表面がツルリとしており、金ピカな輝きのものが多いです。音色もクリスタルボウルと似た「コーン」という素直な響きです。

鍛造のシンギングボウルは金属を叩いて丸くしているために表面が少しデコボコしており、鈍い金属の色のものが多いです。わずかにデコボコしているため、音色は「ビビビビ」という振動が強く出ます。

クリスタルボウルとシンギングボウルの鳴らし方の違い

クリスタルボウルは「コワレモノ」なので、スウェードが巻き付けられたマレットでやさしく鳴らすのが基本です。

クリスタルボウルの演奏

クリスタルボウルは「ドレミファソラシド」の各音階に対応するように製造(販売)されているため、複数のボウルを上手に組み合わせると音楽的な響きを作り出すことができます。ただし、組み合わせ方を間違えると気持ちの悪い「不協和音」を奏でることしかできなくなるため、最初のボウル選びがとても重要です。

シンギングボウルは木製のマレットや、大太鼓を鳴らすようなバチなど、さまざまな道具を使って鳴らすことができます。体の上に乗せたり、アタマに被せた状態で鳴らしたり、鳴らし方のバリエーションがとても豊富です。

シンギングボウルはドレミファソラシドのような音階ごとに製造(販売)されることはありません。音楽的な響きというより、密教的な響きの方を強く感じます。

クリスタルボウルとシンギングボウルの体感の違い

これがもっとも気になるところですよね。

クリスタルボウルの音と、シンギングボウルの音と、体感でどんな違いがあるのか・・・

個人的な感覚として、

クリスタルボウルの響き(音の振動=波動)は純粋で伸びやか。美しく音楽的な響き。安心感があり、

シンギングボウルの響き(音の振動=波動)は複雑でパワフル。モノによっては「ぎょーん!」みたいな仏具的な響きを持ち、ココロ揺さぶられる感じがあります。

 

ただ、すごく大切な、そもそものお話として・・・

クリスタルボウルもシンギングボウルも、どちらも人の手によって演奏されるものであり、奏者によって演奏(体験)の内容が大きく変わります。

乱暴な言い方をすれば、ドヘタな人の演奏だったらどちらも苦痛にしかならないでしょう。

 

「私にはクリスタルボウルとシンギングボウルのどっちがよいと思いますか?」という質問は、「私にはうどんと蕎麦とどちらがよいと思いますか?」と同じようなものです。

そのときの好み、体調、作り手(演奏者)の技術・・・いろいろな要素で変わるので、「あなたには蕎麦しかない!」なんてことは言えません。

 

クリスタルボウルもシンギングボウルも、どちらもヒーリング、癒やし、気づき、安眠に使えます。こっちのはこれができないというようなものではありません。

私はクリスタルボウルの音で安らぐのが好きですが、ライブハウスで飛び跳ねている方がストレス解消になるという人もいますし、アイドルのコンサートで同じ色のペンライトを降るときの一体感がたまらなく心地よいという人もいますよね。

自分の好みを知って、選択肢を増やせるようにとにかくいろいろ体験してみましょう!

今の時代であればYouTubeでもたくさんの演奏を聴くことができますし、さまざまなイベントを実施している奏者さんもたくさんおられます。

多様性の時代に、多彩な選択肢が生まれますように。

私も活動を続けていきます!

Magali Luhan

水晶から作られた楽器「クリスタルボウル」を使い、心地よい音色で心身に変化をもたらすサウンド・バス アーティスト。東京・浅草橋「studio PLAYA」運営、Crystal Sound Laboratory代表。

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