クリスタルボウルの周波数について – 代表的なものを掲載してみました

studio PLAYAで開催中のクリスタルボウル ファーストステップレッスンにて「クリスタルボウルの周波数を知りたいです!」というご質問をいただきました。

たしかに、分かっているようで分かっていないかもしれないのが周波数。本日はちょっと数学的なお話を含めたブログです。

クリスタルボウルの周波数とは

周波数とは一定の「周期」の中に何回の「波」があったかを「数えた」ものです。クリスタルボウルのような「音」の場合は1秒間に何回の波があったかを「Hz(ヘルツ)」という単位を使って表しています。

Hzの数値が小さいと低い音、大きくなれば高い音。すべての音は「周波数○○Hz」と言い表すことができるわけですね。

ただ、クリスタルボウルのような楽器の演奏においては周波数の表現だと面倒くさいです。「最初に261Hzを鳴らしたら次に329Hzを鳴らしながら392Hzって言うてくれたら、俺、523Hzを鳴らしに行くワー」なんて電話口で言ってられないです。

そこで、「ひとつの基準となる周波数」を決めて、その周波数から2倍の周波数になったら「1オクターブ高い音」として、それぞれの間を12等分し、ひとつずつに呼び名を付けて「ドレミファソラシ」という名前の「音階」が作られました。周波数という数値を一定のルールで区分けして、それぞれに呼び名を付けたのが「音階」ということです。

私はぽしゃけを飲まないので知らない世界ですが、お酒好きな方なら「大瓶は○○ml、中瓶は○○ml」みたいに「呼び名と数値の関係」をご存知のこともあると思います。

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Magali

クリスタルボウルのような楽器にはそれぞれ発することができる周波数があります。でも、周波数の呼び方だと音楽的にはやりづらいので音階という呼び名を付けました。音階から逆引きすれば周波数を求めることができます

なお、各音階を決めるときの「ひとつの基準となる周波数」は「440Hz」や「432Hz」というものが代表的です。「基準としている周波数」と「楽器そのものの周波数」があってややこしいですよね・・・。

代表的なクリスタルボウルの周波数

ネコとクリスタルボウル

一般的にクリスタルボウル(クリアーライトボウル、アルケミーボウル)で製造できる音階は「LOW-C(低いド)」から「HIGH-C(高いド)」までの2オクターブの範囲です。それぞれの音階と周波数(小数点第二位まで)を紹介します。

  • LOW-C:130.81Hz
  • LOW-C#:138.59Hz
  • LOW-D:146.83Hz
  • LOW-D#:155.56Hz
  • LOW-E:164.81Hz
  • LOW-F:174.61Hz
  • LOW-F#:185.00Hz
  • LOW-G:196.00Hz
  • LOW-G#:207.65Hz
  • LOW-A:220.00Hz
  • LOW-A#:233.08Hz
  • LOW-B:246.94Hz
  • C:261.63Hz
  • C#:277.18Hz
  • D:293.66Hz
  • D#:311.13Hz
  • E:329.63Hz
  • F:349.23Hz
  • F#:369.99Hz
  • G:392.00Hz
  • G#:415.30Hz
  • A:440.00Hz
  • A#:466.16Hz
  • B:493.88Hz
  • HIGH-C:523.25Hz

ピッチのズレから周波数を求める方法

電卓

クリスタルボウルは製造時に細かく音を調整(調律)することができないため、微妙な音程(音高)の違いを「ピッチのズレ」としてプラスマイナスの数値で表記して販売しています。

上記の周波数はピッチの数値が「+ー0」の場合です。もし、ピッチの数値が「+30」のボウルの周波数を知りたいときは・・・電卓を叩いて求めてみましょう。

例えば「C +30」の周波数を知りたい場合は・・・

  1. オクターブ違い(周波数が2倍)の間には「1200セント」の差がある(=セントとは1オクターブを1200分割したもの)。
  2. 求めたいボウルの「+30」というのは「1200の中を30だけ進んだ」という意味なので「30 ÷ 1200 = 0.025」となり、
  3. オクターブ違いの分である「2」を「0.025乗」 すると「1.0174…」となるので
  4. 「C +-0」が「261.63Hz」であれば、その+30は「261.63 × 1.0174 = 266.182362」

C +30の周波数は約266.18Hzとなります。これでピッチの数値が分かれば周波数も算出できますね!

・・・とはいえ、計算はあくまで計算ですし面倒な点もあるので、素早く確実な周波数を知りたいときは「チューナーアプリ」を使用するのがオススメです。

心地よい周波数の組み合わせとは

ここまでのまとめです。クリスタルボウルのようなすべての「音」は「周波数」という数値で表すことができます。

周波数をいくつかに分類し、分かりやすい呼び名を付けたのが「音階」です。周波数=音階、音階=周波数ですね。

そして、周波数(音階)は組み合わせによって心地よい音に聞こえるものもあれば、イヤな響き、音痴な響きに聞こえるものもあります。音楽的には「和音(協和音)」、「不協和音」と呼ばれるものです。

では、どうして心地よい響きとイヤな響きになるのでしょうか。それは「周波数の比率」です。

たとえば「ド・ミ・ソ」や「ソ・シ・レ」という和音は最初の「ド」や「ソ」を1としたとき、次の「ミ」や「シ」は約1.25倍、最後の「ソ」や「レ」は約1.5倍の周波数となっています。周波数の比がシンプルで美しいからこそ、音もキレイに協和するわけです。

イヤな響き、音痴な響きに聞こえる不協和音は周波数の比がシンプルではありません。それぞれの波がデコボコ・ギザギザになっているために美しく聞こえないのです。

周波数が協和していると美しく聞こえて、そうでないと濁って聞こえるというのはなかなか感動的な事実だと思います。

ピッチを合わせても和音にならない難しさ

ここで、すごく鋭い方は「C:261.63Hzの1.25倍は327.03Hzだから、E:329.63Hzとは微妙にズレていない?」と気づかれるかもしれません。それは大正解で、周波数の調和を追求したいなら「C +-0(261.63Hz)」に合わせるのは「E +-0(329.63Hz)」よりも「E ー14(327.03Hz)」を選ぶべきです。

すべてのボウルのピッチを完全に同じ数値にさえすれば完璧な和音ができるわけではない、というのはクリスタルボウルの音階を決めている「平均律」という考え方に理由があります。

また、和音にこだわるならクリスタルボウルのピッチの数値も「1刻み」で掲載・販売して欲しいところですが、クリスタルトーンズ社のアルケミーボウルは「5刻み」にされているためにピッチから正確な周波数を計算することができません(アルケミーボウルのピッチは0、5、10・・・というキリのよい数に丸められています)。

最終的には「自分の耳で判断する」のが一番確実です。気になるクリスタルボウルがあればインターネットで試聴をしてみましょう。私がプロデュースするインターネット通販サイト「クリスタルボウル サウンド・バスSHOP」では、すべてのボウルがショップページから試聴可能です。

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周波数を整えるために必要なこと

スピリチュアルな世界でもしばしば「周波数」という表現が使われています。「あなたの周波数を整えます」みたいな感じですね。

おそらくこれは人間の意識(気持ち)のうつろいのメタファーとして周波数という言葉を使い、深くリラックスしたり意識が安定することを「整える」と表現しているのだと思います。

サウンドヒーリングについての考え方はその演奏を手がける奏者によってそれぞれ違っていますが、個人的には「ヒトの周波数を整えるためには、使用する楽器の周波数が整っている」ことが大切だと考えています。つまり、心地よい音であることですね。

心地よくない音(=周波数が整っていない音)を聴かされながら「あなたの周波数が整いますよ」と言われても、個人的には「その前に楽器の周波数を整えておいて!」と思ってしまいます(ごめんなさい)。

クリスタルボウルを選ぶのはなかなか難しいところもありますが、ぜひあなただけの音を見つけてみましょう。これからも情報発信を続けていきます。書籍も作っています。

Magali Luhan

水晶から作られた楽器「クリスタルボウル」を使い、心地よい音色で心身に変化をもたらすサウンド・バス アーティスト。東京・浅草橋「studio PLAYA」運営、Crystal Sound Laboratory代表。

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