クリスタルボウルとよく似た楽器に、金色のチベタン・シンギングボウルがあります。今日はその違いについて。
チベタン・シンギングボウルはその名の通り、チベットの宗教儀式で古くから使われてきました。金・銀・水銀・銅・鉄・スズ・鉛の7つの素材を混ぜて作られます。クリスタルボウルに比べると高さが低く、洗面器のような形状です。仏壇の前の「おりん」のような、手のひらサイズのものもあります。
金属から作られているため、クリスタルボウルよりも音が固く、響きの「伸び」は短いです。精神に深く入り込み、ゆるやかにヒーリングをしていく音というより、精神を活性化させるような音です。
メリットとしては何といっても割れないこと。手荒に扱っても、まず壊れることはありません。手に持ったまま音を出し、聴者の目の前で大きく8の字にチベタン・シンギングボウルを動かすと音の位相が入れ替わって不思議な鳴り方を体験できます。
ひっくり返して頭に被り、そのまま鳴らすことができるのもチベタン・シンギングボウルならでは。脳に直接響いてくるような音がおもしろいです。
それぞれの特徴をまとめてみます。
クリスタルボウル
- 重量は軽い
- 割れやすい
- 柔らかく、伸びやかな音
- 水晶製
- 値段が高い(5万円程度〜)
- 複数個並べての演奏が多い
チベタン・シンギングボウル
- 重量は重い
- 壊れない
- ビリビリ響く、強い音
- 金属製
- 値段が安い(1万円程度〜)
- 少ない数での演奏が多い
クリスタルボウルだけの演奏だと、しっかりヒーリングできる反面、演奏終了後に電車に乗って家に帰らないとダメな場合など、リラックスしすぎも怖いときがあります。そんなときにチベタン・シンギングボウルのような金属的な音を最後に入れて、シャキっとするのもよいかと思います。ヨガのシャバーサナでもよく使われていますよね。
さまざまな音を使って、気づきのある日々にしていきましょう!