私はクリスタルボウルを演奏するとき、好んで黒色の服を着ています。今日はその理由について。
ひとつは、「黒子になりたい」というものです。
イベントの主役はあくまでひとりずつのお客さんであり、真っ白なボウルたちです。
私はあくまで、ひとりずつのお客さんの中にあるものを引き出す役目でしかありません。私は誰かを救うことができるような存在ではなく、あくまで増幅装置(エンハンサー)です。
安らぎを得たい人には安らぎを、クリエイティブを高めたい人にはクリエイティブを、音の世界の中で見つけていただけるように努めています。
そしてもうひとつ、黒色というのは何色にも染まらない色という理由もあります(受け売りですが)。
イベントとして毎回大勢の人の前で演奏するとき、いろいろな場所で演奏するとき、「人」や「場」の影響を私が受けていては身が持ちません。
ちょっと表現が難しいのですが、私はプロとして、たくさんの人・場で演奏する身として、ある一方では非常にドライな状態を保ち、「親身になる」こととは距離を置く必要があると考えています。ひとりひとりの人生を抱え込めるほど、私には精神・時間・金銭の余裕がありません。
そこをムリしてしまうと、「ヒーラーが一番病んでいる」という状態になりがちです。
これからもボウルの可能性を追求して、たくさんの人とたくさんの時間を過ごしたいからこそ、私は染まらないことを・染められないことを意識しています。