クリスタルボウルの音には「倍音(ばいおん)」が含まれていると表現されることがあります。
改めて「倍音とは何か?」をご紹介します。
倍音とは
倍音とは、基本となる音(これを「基音」と呼びます)の整数倍の周波数で鳴る音のこと。倍音の重なり方によって、その音(楽器)の「響き方」や「音色」が特徴づけられます。それぞれの楽器はユニークな倍音の重なり方があるからこそ、「あの楽器の音だ」と認識できるわけです。
倍音がたくさん重なっていると「ふくよかな音」、少ないと「シンプルな音」として認識されます。お寺の鐘のような「ごい〜〜ん」は倍音が多く、フルートやクラリネットで低い音を吹いたときの「ぽーー」は倍音が少ないです。倍音を一切含まないのは聴力検査で聞くような「ピー」という電子音で、自然界には存在しません。
クリスタルボウルには倍音がある?
はい。すべての音に倍音が含まれるように、クリスタルボウルにも倍音があります。同様に、いわゆる騒音として聞こえてしまう工場の機械音にも倍音があります。倍音の「あり・なし」で言えば「なしなものがない」わけです。
では、どうしてクリスタルボウルの倍音は特別扱いされているのでしょうか?
クリスタルボウルの倍音の秘密
その音が「心地よい音」に聞こえるか「騒音」に聞こえるかは、倍音の規則性、持続性、周波数のまとまりによって決定づけられます。クリスタルボウルはそれらがとても美しく存在している楽器です。
倍音の規則性と不規則性
クリスタルボウルの倍音は基音の2倍、3倍、4倍…という感じで規則的な整数倍ごとに倍音が並んでいるために私たちの耳にも調和して聞こえ、「音楽的な響き」として感じられます。
いわゆる騒音は基音に対して倍音の並びが不規則で、無秩序な周波数が含まれています。特定のパターンがなくランダムな周波数が混ざり合っていると騒音として感じられます。
倍音の振幅(音の強さ)と持続性
クリスタルボウルは倍音の響きが基音に比べて徐々に小さくなり、自然に減衰して(聞こえなくなって)いきます。このことによって音が安定して聞こえ、耳に心地よい音色を感じやすくなります。
いわゆる騒音は急に増減する倍音が多く、一定のパターンがないために不快な印象を作りやすいです。また、倍音の中でも高い周波数の音が多く、耳障りな鋭い音が目立つことが多いです。
倍音の周波数分布
クリスタルボウルのような楽器は、基音を中心に倍音が周波数帯にきれいに分布しており、音全体の響きが「まとまって」聞こえます。
いわゆる騒音は周波数が広範囲に散らばっており、一貫性がないため、音全体が「バラバラ」に聞こえます。これが騒音として感じられる原因です。
倍音はどのように作用する?
倍音が人体にどのように作用しているのかについては、さまざまな研究が行われています。
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世界中の文化の中で、スピリチュアルな儀式のときには倍音に溢れた楽器で音を奏でていました。神主さんの「笙(しょう)」や、仏壇の「おりん」もそうですよね。
これは私見になりますが、倍音が調和した楽器の響きを聞くと私たちは美しいと感じます。美しいと感じることで癒しやスピリチュアルな体験に意識が向かっていくのだと思います。かわいい仔猫を見たらやさしい気持ちになるのと同じですね。
クリスタルボウルの倍音を活かすために
繰り返しとなりますが、自然界のすべての音には倍音が含まれています。倍音の「あり・なし」だけで言えばクリスタルボウルにも工場の騒音にも倍音があります。
大切なのは「倍音か美しく存在しているか?」です。
「クリスタルボウルは倍音があるから癒される」ではなく、「クリスタルボウルは倍音が美しく存在するから癒される」というわけですね。
クリスタルボウルを演奏するなら、それぞれのボウルの音階・ピッチにとことんこだわって、ボウル同士の音色が美しく調和するもの、キレイな「和音」を作れるものにすることで倍音の響きをさらに強めることができます。反対に「不協和音」として聞こえる組み合わせではそれぞれの倍音が打ち消し合ってしまいます。
それぞれのボウルが持つ倍音を活かせるように、クリスタルボウル選びは慎重に進めてみましょう。
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