クリスタルボウルを即興で演奏するために意識したい4つのパート

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クリスタルボウルの演奏には楽譜がない(楽譜に表せない)ため、その場の空気を感じ取りながら「即興」で行うのが一般的です。それは、医者が患者を診る前から治療方針を決めていないのと同じこと。そのときそのときに最適な音を導き出すのが奏者のスキルです。

・・・とはいえ、いきなり「即興で感じるままに鳴らしてください」と言われても戸惑いますよね。

本日は「クリスタルボウルを即興で演奏するために意識したい4つのパート」をご紹介します。

事前準備

クリスタルボウルは「イメージを拡げることができる楽器」です。たとえば、低い音のボウルをごいーんと鳴らしていたら、瞑想状態のように意識はどんどん内側へ向かっていきます。反対に、高い音のボウルを細かく鳴らしていたら、まるで天使が舞うように癒やしや覚醒の状態へ変化します。

クリスタルボウル サウンド・バスSHOPでボウルを購入される際に「どんなボウルを選べばよいですか?」と、よく相談をいただきます。最初に買うなら「ド・ファ・ラ」のように「低い音・中間くらいの音・高い音」の3つの音階で、ハーモニー(和音)が作れるものをバランスよく選ぶことをオススメしています。これが「ド・レ・ミ」のように連続した音階で買ってしまうと、同時に鳴らしたときに不協和音になり、どうやったって心地よい演奏は行えません。

クリスタルボウル サウンド・バスにおいては「その音によってイメージがどのように変化していくのか?」を考えることがとても大切です。

※不協和音を力強くゴガーン!ゴンガンゴンガン!と鳴らす独特な奏法を行っている団体もあります。これから紹介するのは、私が美しい音に包まれながら緩やかに意識を変化させていく奏法を好んでいるだけなので、そうではない奏法を否定するものではありません。自分の好みに合うものを選んでみましょう

パート1:誘導

最初に意識したいのは、聴者(お客さん)がクリスタルボウル サウンド・バスの世界へしっかりと入ってこられるような「誘導」です。日常生活の中でさまざまに散らばった意識を「いまここ」に向けるための音を鳴らしてみましょう。

おそらくそれは、不協和音のゴンガンゴンガンした音ではないと思います。コース料理でいきなりステーキが出てきても困ってしまいます。

まずはシンプルに、一音ずつゆっくりと繰り返し鳴らしていきましょう。音の数(音階の数)はふたつ、みっつで十分です。最初からいきなりたくさんの音を鳴らすのは、散らばった意識のままで変容・覚醒に向かってしまい危険です。

あなたのボウルは、どの音を鳴らすと、どのように鳴らすと意識が誘導されるでしょうか。考えてみましょう。

パート2:変容

意識が音に馴染んできたら、早い人だともう寝息をたてているかもしれません。ここからがクリスタルボウル サウンド・バスの深い世界へ入っていくパートです。

知覚の扉を開くように、ボウルを「叩く」奏法を混ぜていきます。叩くときは同じ音や同じパターンを最低4回は繰り返すのが基本です。「コーン・コーン・コーン・コーン」や「コーン・カーン・コーン・カーン」という感じですね。繰り返すことなく、ひとつの音を1回だけ「コーン!」と叩かれるのは「え?なんでその音を鳴らしたの?」という気持ちになってしまいます。

私たちは肩を一度だけ叩かれると振り向きますが、やさしく叩かれ続けると眠るのと同じです。

せっかく「いまここ」に集まった意識を再び散らばしてしまわないように、叩く奏法には特に注意してください。

あなたのボウルは、どの音を鳴らすと、どのように鳴らすと意識が変容されるでしょうか。考えてみましょう。

パート3:覚醒

変容した意識を高次元へ覚醒させてみましょう。これまで以上に複雑に音を混ぜたり、細かく叩いたり、力強くて素早い音を鳴らしたりします。

ある程度の演奏ができる人で、もう一歩「惜しいなー」と思うのは、この覚醒の部分です。

もっとたくさんの音を混ぜてもいいのに、もっと力強く鳴らしてもいいのに、メリハリの感じられない演奏になってしまっていることがあります。ここをしっかりがんばることで、クリスタルボウル サウンド・バスの体験はものすごく大きなものになります。誘導・変容という段階をきちんと踏んできているのなら、その意識を高次元へ覚醒させることができます。

あなたのボウルは、どの音を鳴らすと、どのように鳴らすと意識が覚醒されるでしょうか。考えてみましょう。

パート4:帰着

さて、最後は覚醒した意識を再び「いまここ」へ戻す必要があります。「いまここ」へ戻ってこないままで演奏(イベント)が終わってしまうと、現実世界とのギャップで逆に凹んでしまいます。

誘導のパートと同じように、シンプルな音を繰り返していきます。

やさしくゆっくりと、クリスタルボウル サウンド・バスを染み込ませていきましょう。おかえりなさい。そして、新しい世界へようこそ。

あなたのボウルは、どの音を鳴らすと、どのように鳴らすと帰着できるでしょうか。考えてみましょう。

まとめ

心地よい体験、上手な演奏ができる奏者というのは、無意識のうちに上記の4つのパートを構成していると思います。反対に、お腹が痛くなるような演奏や落ち着かずチグハグに聞こえる演奏は、音の展開が支離滅裂であることが多いです。

なぜそこでその音を鳴らしたのか? その音を鳴らすことで何が変化したのか? を、きちんと考え、感じ取ってみましょう。

また、それぞれのパートの間には、十分な長さの「無音」を挟むことが大切です。静寂の中にある美しさを感じ取りましょう。

こんなことをクリスタルボウル サウンド・バス スクールでは一緒に考えながら練習しています。

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